躊躇いは隠しきれない、隠す必要もない。
それを自覚しながら、自らの意思で行動することに意味がある。
ただ言われるがままに従うだけでは意味をなさない。
情けないと恥ずべきは瑠璃子ではない。
最愛の女を別の男に差し出し、欲情する夫の方。
それも1年という長い月日。
男の経験上3か月から半年を境に、夫あるいは彼氏の下へ気持ちが戻る可能性はぐっと下がった。
もちろん契約は契約、男がその期間を過ぎても預けられていた女に固執することは100%ない。
しかし、女は別。
一時的に戻っても、契約以前のような関係が蘇る可能性は5割を切る。
そのリスクを男は理解しているのか、自分の為にここまで身を粉にできる女だということを理解しているのか…。
「…。
下着を確認するまでも内容ですね…。
糸を引くほどに厭らしい汁が滴っている…。」
握りしめたままの下着を広げろとまでは言わなかった。
それ以上に内腿から伝い滴る愛液の存在がはっきりと目に留まったからだ。
「かまいませんね…?」
男は夫に確認の言葉を投げかける。
頷いたのか、興奮に打ち震えているのかはっきりとはしなかったが、男はそれを同意、と捉え言葉を続ける。
「では瑠璃子さん…。
いや、瑠璃子はこの瞬間から私の所有物だ。
さっきも言ったが、下着はこの下衆にくれてやるといい。
ブラも外せ…。
お前のモノは私が用意する…。」
冷たく言い放つようで、力強い。
女の身体の具合を見て暗に、契約は正式締結されたというような振る舞い。
「契約金は数日中にこちらの口座にお振込みを…。
入金の確認から1年という月日を正式な契約期間とさせていただきます。
それでは私は先に失礼いたします。
最後に交わす言葉もあるでしょう。
地下駐車場、B-33番に私の車が止まっている。
話が済んだら降りてきなさい。
地下駐車場までの直通エレベータがある。
たどり着くまでに誰かと顔を合わせることはないだろう。
余計なものを脱ぎ捨てて、出来る限り早く降りてきなさい。」
ゆっくり立ち上がり、すれ違いざまにすっと瑠璃子の肩に手を置くと耳元に顔を近づけ。
「楽しみにしているよ、淫乱、な雌の飼育を…。」
夫には聞こえない程度の声でそう囁く、男は先に部屋を後にした。
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