薄暗い地下駐車場から地上に出る。
日付が変わる少し手前の時間帯。
傍目から見れば縁遠いようにも感じる高級なホテル。
まさかそんな場所から下着を自ら引き抜いた女が出てくるなどとは夢にも思わないだろう。
早々に大通りに出れば、まだまだ行き交う車の数も多い都市部。
道を選べばある程度はすれ違う車を避けるように走り抜けることはできたが、そんなつもりは毛頭ない。
ここまでで女の身体と心理にどの程度の影響が出ているのかも重要な確認要素だ。
「それにしても驚いたよ…。
まさか最長の一年を迷いなく選択するとはね…。」
少しの沈黙を破るように男は口にした。
元々面識があるならまだしも、少なくとも女にとっては完全に初対面、やり取りすら無かった。
にも関わらず、メッセージのやり取りだけで夫である男は思い切った決断、選択をしたのだから。
さすがに経験豊富な男にとっても驚きを隠せない様子を素直に伝えた。
伝えた上で、
「ただそれ以上に驚いたのは君だ。
瑠璃子…だったね…?」
名前を改めて確認し、巧みに右手でハンドルを操作しながらすっと左手が女の胸元に伸びる。
そしてその指先が容赦なく、躊躇なく、そして一直線にワンピースの胸元にうっすらと浮かび上がる突起を摘んだ。
「会った数分程度の男に預けられる。
私は言った、君は所有物になる、と。
そして、そんな状況かで下着を湿らせた…。」
コリ…コリ…、と視線は完全に正面を向いたまま。
繊細に指の動きで、固く勃起した突起を弄ぶ。
「そして、探す必要も無いくらい。
こうして厭らしく勃起させている…。
彼が君に期待する気持ちが少しわかった気がしたよ…。
私は彼を下衆だと罵ったが、ある意味君が彼を下衆に仕立てたのかも…しれないね…?」
そんな独り言のような言葉遊びも束の間。
一方的に勃起した突起を弄んだかと思うと、到底ひとりで住んでいるとは思えない閑静な住宅街の中に佇む一軒家へとやってくる。
遠隔操作で開くガレージのシャッター。
慣れた手つきで車庫への駐車を終えると、
「ここがしばらく君の家になる。
あまり気を使わなくていい、そんなことをしなくてもちゃんと君は私のモノだ。
それはそう遠くないうちに分かるようになる。
さぁ、降りて…。」
バタンッ、と先に運転席から降り扉を閉めると助手席がに回り扉を開ければ、すっと瑠璃子に手を差し出して。
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