「やっぱり…。」
一瞬、と言える短時間の映り込み。
気づかば何回もループしていた。
そんな動画を眺めながら、少し向こう手で読み耽ったままの胡伯の姿と交互に視線を走らせる。
やっぱり…。
その言葉が指し示すのはいったい何なのか。
やっぱり気づいていない。
やっぱり撮られるなんて思っていない。
やっぱり自分が女だって言う認識なんかない。
あらゆる意味合いを孕んでいそうな言葉が、男の口からこぼれるように漏れた。
残念ながら、それが下着だということは認識できた。
しかし、鮮明とは言い切れない。
はっきりと色もわからなければ、当然柄も、種類なんてもっての外。
募るのは欲求。
求めるのはさらなる成果。
「…。」
もっと…、もっとだ…。
リスクは承知…しているはずだ。
それも場所は学内。
何かあれば言い逃れなんてできるはずもない。
しかし、目の前でネギを背負ったカモが待っている…そんな風に見えてしまえばしばらく一線から遠のいていた男の歪んだ欲求に火が灯ってしまう。
ゆっくりと行動を起こす。
視線を向ける先には胡伯が眺めている側の本棚…とは逆。
つまり、胡伯が背にしている側の本棚だ。
「あっちを気にしているふりをしながらなら…。」
再び動画モードで撮影を開始。
離れているとはいえ、静まり返った図書室ではわずかな機械音さえ心臓に悪い。
幸い、周囲には胡伯以外の生徒の姿は見えない。
ジャンルが功を奏したのか、周りの生徒が興味を示しそうな棚ではないことが良かった。
ゆっくりと近づいていく。
今度は胡伯に背を向けた形で真後ろの本棚を眺めているフリ…。
そして…。
「…。」
すっと後ろ手にスマホのカメラレンズをスカートの中に差し込んでいく。
すぐにでもその手を引きたい。
が、誘惑…興奮、そして欲望がその手をそこに留めさせた。
「はぁ…。」
深い吐息が漏れる。
時間にして10秒程度か…、吐息と共にゆっくりとその手を引けば、再び男はその場を離れ胡伯が見えないところで戦果を確認する。
【悦んでいただけているようでよかったです。
自然な流れ、である以上、大胆な行動をすることも、期待することもできないと思うので。
何かしら状況が変わらない限りは、近しい描写が続くと思います。】
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