「…。」
覗き見ている状況は変わらない。
早々に大胆な動きを見せれば、さすがに違和感を与え、それはおそらく不信感へと変わる。
面識がないわけではない。
ただ交流がないだけ、顔を、存在を認識すれば佐伯だとはっきり意識されてしまうわけだ。
あくまで自然に…、ただただ図書室に居合わせただけの空気を保ちながらも少しずつ距離を詰めていく。
本棚に目を向ける様子を見ながら、大胆というべきか、女子とは思えないしゃがむことなく前傾する様子にやはり、男の仕草を感じさせてくれる。
さらにはその広いスタンス。
自認が男だという噂はどうやら本当らしいことは、その様子から明らかになっていく。
「…。」
ゆっくりと距離を詰め、何かを探すそぶりを見せながらポケットの中で上手くスマホを操作。
シャッターを切るわけにはいかない。
少し離れた場所で動画モードで撮影を開始させ、背後を通る時だけすっとスカートの中へとレンズを向けるが得策か。
そう考え、男は行動に移していく。
本当に、撮られる、盗撮されるなんて思っていないなら。
自分がそんな対象に見られているなんて微塵も思っていないなら。
多少男が近くを通ろうとも気にも留めないはずだ。
「んく…。」
緊張。
生唾を飲み込む音が聞こえそうなほど、勝手に感じる緊張感。
しかし、同様…いや、それ以上に感じるは興奮。
ここまで来て何もしないは意味をなさない。
スマホを握った手に力が入る。
「…。」
背後をそれとなく通り過ぎる瞬間。
ちらっと角度だけを確認し、スマホのレンズを胡伯のスカートの中に向け、
「…。」
1秒…、あっただろうか。
そんな超短時間の撮影に神経を集中させ、そして何事もなかったかのように通り過ぎた。
振り返っても何かを気にするような視線は感じない。
そもそも男が背後を通り抜けたことに気づいていたのかさえ怪しい。
そんなことよりも…。
一度胡伯の前から姿を消すと、早速とばかりに戦果を確認するようにスマホの記録を確認する。
【早々で短くなってしまい失礼いたしました。
出来る限り希望やイメージに沿えるように描いていくつもりですので、気になったところはご指摘くださいね。】
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