(えっ…?嘘…こんなに混んでるんだ…)
駅に到着した電車の中には、既に多くの人が乗っているのが分かる。満員の車内に人が雪崩込んでいき、その流れに流され、私も乗る寸前まで行くが、次の電車に…と思い立ち止まる。
次の瞬間、後ろから押されて満員の車内に押し込まれる私。
「えっ…!?ちょ…っと…痛いっ…」
小さな声は発車のベルに打ち消され、せめて座席前の通路にと思い進もうとすると、それを遮るように中年男性が立ち止まり、こちら側を向いてくる。
(えっ、まだ中に進めるのに〜最悪っ)
そうしているうちに通路側スペースも埋まってしまい、扉付近の角に立つしかなくなってしまう。
混雑している車内で仕方ないとは言え、さほど大きいとは言えない胸とお尻辺りに違和感を感じつつも、電車は駅を出発する。
(大事なプレゼン前なのにテンション下がるなぁ)
そう思っている私を見ている一輝さんは、痴漢は2人だと思っているが、実は私の周りにいる残りの2人も痴漢で、周りからの視界を遮りつつ、下腹部と胸部に手を伸ばしてくる。
(ちょっと…何?痴漢!?)
明らかに意図を持って動く複数の手に身体を強張らせる私。ただ、触っているかどうか分からないラインのため、まだ声をあげるに至っていない。
自意識過剰と思われても嫌だと思い直し、しばらく様子を見る事にする。
【弱みを握って…いいですね。一輝さんに悪いと思いながらも脅されて仕方なく痴漢やイタズラに耐えていく感じですね】
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