「じゃあ、今日はこれで終了ね。暗くなってきたから寄り道しないで帰ることと、お家に帰ったらストレッチして、身体をほぐすこと。先生との約束だからね〜」
凛花が師範を務める一ノ瀬空手道場の教え子は、小学生がメイン。優しく、教え方が上手いと保護者からも人気であり、子供達で賑わっていた。一度、地元テレビに「美人師範の空手道場」として紹介され、教え子が一気に増えたのだった。
父が師範をしていた頃は、子供向けではなく大人が通うような道場だったが、怪我により引退した父に変わり凛花が引き継ぐにあたって、子供向けの道場に変えた。
女師範代には男はついてこない。
技術は教えられても、男が求めるような力は教えられないから。
本当は父のように、屈強な男性を従えて尊敬されるような存在になりたかった。
だから、凛花は自覚していないところで女性であることに負い目を感じているし、強い男性への憧れもあった。
周囲に強い雄がいないことも拍車をかける一因だった。
「まあ、私も朝からの方が都合良いし…。それよりさあ、今回受ける代わりにさあ、欲しいものがあるんだけどぉ…。」
夜開始だと夜通しとかになる可能性もあるため、朝から初めて昼くらいに解散…と考えた凛花。
しかし、前回よりも長く激しいものになるとは知らず、凛花がご褒美として欲しがったのはスニーカーだった。
寝取られ日当日に発売される靴であり、値段は3万円近くの高価な限定品。
あまりねだるような行為は好きではないが、わがままを聞いてやるのだから当然の対価。
約束を取り付けた後の凛花は上機嫌であったが、それは果たして靴をプレゼントしてもらえるからだけなのか…。
そして、当日…。
「じゃ、行こっか。どうせ暇だろうし、スニーカーでも買いに行って時間潰してなよ。プレゼント期待してるからね〜。」
凛花の服装はさすがに前回とは異なり、私服にかなり近いもの。黒いオーバーサイズTシャツに、カーゴ色のジョガーパンツ。アクセサリーはネックレスだけでスポーティだが、桃色のリップが女性らしい味を出している。
ヘラヘラしている凛花ではあったが、内心緊張や不安は募っており、から元気であった。
(流石にちょっと怖いな…。また抑えられてイかされたり…、いや、まあ…、それが気持ち良かったんだけど…。あのおっきい…アレも…。)
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