「一晩そこで、しでかしたこと反省してるんだな。朝になったら外してやるよ、じゃあな。」
そう言ってマンションの方へ向かう亮平
黒木「社長、待って。待ってったら社長…外して下さいよ、お願いですから…」
マンションに向かう亮平の背中に、黒木の声が追いかけて来る。
その声を無視して、玄関前で待っていた目黒に、
「さあ、俺達も中に入ろう。今日は目黒お前、泊まって行けよ。明日は朝食食べたら頼みたいことがある。」
と促し、二人玄関に入っていく。
黒木「外してよ、外してったら……」
黒木の懇願の声が聞こえてくるが、扉を閉めるとそれも聞こえない。
目黒「社長、いいんですか黒木の奴。」
「一晩位、いい薬だろ……吞み直そうか。」
酒と肴の用意をして、チビチビと呑み始める二人。
「大丈夫かな井ノ上さん……俺たちがいると、ジム居づらいだろうな、就職するの止めちまわないよな。」
目黒「社長…(心の声:そりゃ心配だよな…これだけ社長が想い寄せてるってのに、黒木の馬鹿のおかげで…)その心配は後にしましょう。今夜はとことん呑みましょう。」
「とことんって、酒代は俺持ちだろうが…こいつ。まあいいか、呑むか!」
起動しっぱなしだったノートPCの画面を開くと、浴室にいる全裸の胡々希と米倉。米倉も見事なナイスボディであり、米倉が胡々希を手伝いながら行為に耽っている姿がそこに。
「あの米倉さんって女性もいい身体してるな。レズビアンって言ってたっけ?」
目黒「ええ…男なら十人中十人、いや百人中百人が抱きたいと思いますよ。」
「目黒お前もか(笑)」
目黒「そうですね……恥ずかしながら井ノ上さんでも催してますが、米倉さんの身体もいいと……すいません、社長の思い人に対して催すなんて言ってしまって。」
「いい、いい。大丈夫だ……まだ俺が勝手に思ってるだけだから。そろそろ寝るとするか。」
パソコンを終了させ、画面を閉じて、ベットに横になる。
翌朝目を覚ますと、掛けた覚えのないタオルケットが体の上に。
リビングに行くと長ソファに、目黒が横になって眠っている。
「目黒の奴、夜中にわざわざ掛けてくれたのか。」
キッチンに行き朝食の用意をしながら思い出す。
「そうだ黒木……」
玄関扉を静かに開けて外を窺うと、手すりに手錠をかけられたままの黒木が窮屈そうな体制で眠っているよう。
ガスで四人分には少し多い粥を用意しながら、
「黒木のやつ少しは反省したかな?まあ、反省していても処分は変わらんが。」
スマホの時計が七時を過ぎると、昨日の最後の着信(米倉の携帯)にコールする亮平。直ぐに繋がり、
米倉「はい米倉です。社長さんですか、おはようございます。」
「米倉さん、おはようございます、佐久間です。簡単なものですが朝食用意したので、井ノ上さんが大丈夫なようなら一緒にこちらに、駄目なようなら、朝食取りに来ていただけますか?」
「わかりました。ちょっとお待ちください。井ノ上さんに聞いてみますね?」
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