「ああ、あのなんとかという新素材でできたってやつか。その方向で調整しといてくれ。あの二人を広告塔にして宣伝討てば、特別会員も増えるかもしれんしな。」
「後のことは堂本と黒木に頼んだぞ。随時報告だけはしてくれ。じゃあ今日はここまでで。会長私はちょっと出ますんで・・・」
そう言い残すと会議室を後にして社外へと出ていく亮平。
会長の光一も出て行き二人残された堂本と黒木。
「社長も思い切ったなあ、一気に二人も採用するなんて。」
特に黒木に聞かせるつもりでもなく、独り言ちる堂本。
「あの二人甲乙付け難かったですからね。黒木心の声:あの小娘、どうしてやろう…楽しみにしてなさい。今度会うのは研修の時か…何か面白い方法はないものかしら…」
黒木が考え込んでいると堂本が
「黒木さん、講習の日程決めとかは、改めて。ちょっと残務が立て込んでて…デスク戻って処理しますんで、すいませんけど電気と空調消すの宜しくお願いしますね。」
「分かりました。お疲れ様です。」
そう言い会議室を後にする堂本、一人残される黒木。
「新しいウェアと水着かぁ……そうだ、よりよくフィットさせるため細かい採寸が必要とか言って、研修室で全裸にひん剥いてやろうかしら。流石に男の目の前ってのは不味いけど。それにウェアのメーカーの人、今度面白い素材出たんですよって言ってたっけ。確か角度によっては透けて見えるとか。名刺貰ったから聞いてみようかしら。」
デスクに戻った堂本は残務を済ませ、先程命じられた合否メールの雛形を作り始める。
「合格者には研修の日程場所、注意事項を入れられるようにしておいてと。不合格者はこれで良しと。後は黒木さんと日程を調整すれば、〇日には送れると。」
それから数日経過し、採用の合否をメールしておくように堂本に命じた〇日の夕刻。他県取引先での打ち合わせ業務を終えた亮平。
乗り継ぎ駅で一度降りて軽い食事を済ませ、地元の駅に向かうため乗り継ぎ駅に向かっていると、コンビニの前で出てきた女性とぶつかってしまい、突き飛ばしてはまずいと思い、腕を回し咄嗟に抱きとってしまう。
「これは失礼しました。お怪我はありませんか?」
女性の顔を見るとそこにあったのは、井ノ上胡々希の顔だった。
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