渡辺「何も抱き合う事ないだろ!」
「照君!さっきも言ったけど倒れそうになったから支えて助けてくれただけだよ!
大体、こんな大通りで人と抱き合う趣味、私にはないわ!」
渡辺「疚しい事があるから俺の誘い断ったんだろ、あの社長は!それに胡々希ちゃん、またヒール履いてるの?俺、嫌だって言ったよね?」
「あのさ、社会人相手にこの時間から飲みに誘うなんて何を考えてるのよの!私達はまだ学生だから大丈夫だけど
日を跨がせるなんてとても失礼なことよ、…後日、社長に謝罪しないといけないわ。
ヒールだって履きたい日もあるよ、ずっと照君に合わせなきゃならないの?」
渡辺「大丈夫だろ、怒ってる様に見えなかったしそこまで胡々希ちゃんも怒る事ないんじゃない?
俺と一緒じゃない時に履けばいいじゃん!」
「何で私が履きたいと思った時に好きな物を履けないの?ずっと合わせてきたよね?
今日は採用通知が来たから嬉しくて照君にも知らせたくてお洒落して来たんだよ!
これからお世話になる会社なんだよ?これで印象が悪くなったらどうするのよ…。
照君だって入社前の会社の社長に飲みに行きましょう〜、なんて誘えるの?
照君、悪いけど今日話す気になれない、このまま帰るわ。」
渡辺「確かに社長、誘えないな…、ごめん。
えっ?胡々希ちゃん、今日飲んだ後、(ホテル)行くんだったよね?」
「……照君、どこまで私の事、逆撫でさせれば気が済むの?呆れた……。」
渡辺「胡々希ちゃん、待ってよ!」手首を掴む。
「離してくれないかな?私、本気で怒ってるんだよ?私、彼女だよね?それがホテルに行きたいからって…、手離してよ。」
「胡々希ちゃん…。」
渡辺照とその場で別れ、亮平の向かった方向に小走りすると亮平の後ろ姿を発見。
「社長、佐久間社長!」追いつくと謝罪する。
「恋人が失礼な言動をし申し訳ありませんでした。」
最敬礼の角度で頭を下げ、頭を上げ顔を見上げ。
「これからお世話になると言うのに大変失礼な事をしてしまいました。」
もう一度頭を下げる。
堂本「黒木さん、遅いな…?」
応接室に向かうと会話が漏れ聞こえてくる、どうやら勝手にウェア会社に連絡をしている様で新素材の角度によっては透けてしまう素材の事も話している。
堂本「全く黒木さんは…(心の声(井ノ上さんに恥をかかされたと思って嫌がらせをしようとしてるな…、ウェア作らせてもそのまま回収して社長に渡すしかないな。
作りさえすれば社長に没収されても満足するだろうし、その前に試着させてしまうだろうがその辺りは井ノ上さんには悪いが
我慢してもらうしかない、どうせ女性だけでの試着になるだろうからな。))」
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