それからしばらくして、ある日のデート帰りに家で弟の蒼汰に声をかけられることがあった
蒼汰「姉さん、海斗と最近会ってたりする?」
水希「あ、見られた?」
蒼汰「今日、同じ映画館で見かけたんだよ。それにここのところ、あいつ機嫌いいしさ。」
水希「そう、じゃ蒼汰も小池先生と仲睦まじくしてたんだ」
蒼汰「茶化すなよ」
水希「ゴメンゴメン、ちょっとそういうきっかけがあってさ。あの子が私に気があることは知ってたし、いい思い出を作ってあげてるとこ」
蒼汰「思い出?じゃあ、本気でつきあう気はないんだ?」
水希「さあ?どうしようかな。ふふっ、まだ考え中だよ」
蒼汰「もし駄目なら、綺麗に別れてやってくれよ。あいつとギクシャクするなんて、俺、嫌だからな」
水希「はいはい、努力しますよ。私だって、あの子のことなんてどうでもいい訳じゃないんだからね」
弟をかわして自分の部屋に入ると、ベッドにうつ伏せになって少し考える
実際、あの子といると楽しい
だけど、あの子は性的な進展を望んでいるし、私もこのまま清い関係だけ続けられる自信もない
そろそろ結論を出さないといけない
だとしたら!
「蒼汰
ちょっといい?
相談があるんだけど」
隣の部屋のドアをノックして、その中に入っていく
そして、しばらく話し込んだ数週間後、これまでのデートのガーリーな服装とはガラリと変えたモノトーンコーデで待ち合わせ場所に現れた
「ネットカフェか、うん、それでいいよ」
ちょっと目的が見えすいているかなと思った
だけど、どうやら考えは同じらしい
自分よりも年下で、なのに背の高い男の子の、腕にしがみついて一緒に歩いていく
「今日はさ、蒼汰が来年受ける学校のオープンキャンパスに行きたいんだって、親達を連れて県外に行ってるんだ
だから、ネカフェの後は家でものんびりしようか?」
※元投稿はこちら >>