(はぁ……何やってるんだオレは…)
ティッシュで精液で汚れたペニスを拭きながら大きなため息をついた。
何度同じことを繰り返すのか…動画を見てオナニーを終えるとひどい自己嫌悪に襲われる。
丸めたティッシュをごみ箱に投げ捨て壁に思い切り拳をぶつけた。
ベッドに横になり天井を見つめてボウっとしていると、母親の声がした。
「やだよ…今度でいいじゃない…わかったよ…行ってくるよ…」
10分後、拓海は夏芽の家に向かって自転車をこいでいた。母親から用事を押しつけられたのだった。
(どんな顔して夏芽に会えばいいんだ…)
夏芽のところへ行くのに、こんなにも重い気持ちなのも初めてだった。
玄関のチャイムを鳴らすと夏芽の義父が顔を出した…夏芽にいやらしいことをしている張本人だ。会いたくはない相手だったが、夏芽でなくて内心ホッとしたのも事実だ。
用件を夏芽が義父に告げると「夏芽は部屋にいるから…」と言って奥へと消えてしまう。
会いたくないのに…いや、ホントは夏芽に会いたい…でも…
仕方なく階段を上り夏芽の部屋の前で声をかけた。返事はなかった。
「入るよ…」そう言ってドアを開けると夏芽はベッドに横になって眠っていた。
まだ制服のままで、スカートが乱れ太もものつけ根まで見えてしまっていた。思わず唾を飲み込んだ。
人の気配に気づいたのか、驚いたように夏芽は跳ね起きたが、拓海だと分かりホッとした表情になる。
「ごめん…起こしちゃって…母さんが夏芽にコレ待ってけって…」
夏芽に紙袋を渡した…バナナだった。
「パート先で沢山もらったからって…夏芽ちゃん好きだからって…」
夏芽は、紙袋の中を覗きこむと嬉しそうな顔をする。
「わっ!バナナだ!やったぁ!」と…
(バナナくらいで…小さい時から夏芽、バナナ大好きだったからなぁ…そういえば、バナナ食べすぎてお腹こわしたこたあったっけ…)
ふとそんなことを思い出しているうちに、夏芽はもうバナナの皮を剥いてパクリと食べはじめていた…大きな口を開けて…
昔のことを思い出し、和らいだ気持ちから一気に現実に引き戻される…さっき見たライブ配信の映像と重なった。
夏芽は、今と同じように口をいっぱいに開けて義父のペニスを咥えたのだ…しかも精液まで飲んで…
拓海の表情は、いっぺんに暗くなった。それに気づいた夏芽は「どうしたの?」「最近、そゆな顔ばっかり…」としつこい…
はじめは「なんでもないよ…」と言っていた拓海だったが、夏芽のしつこさに怒鳴ってしまう…
「何でもないっていってるだろ!」
沈黙が流れた…
「今日は帰るよ…」
拓海は、うつむいだまま部屋のドアに手をかけた…
「ごめん…怒鳴ったりして…このところイライラしてて…ホントごめん…」
ちらっと振り返った拓海の目に見えたのは、目にいっぱいの涙を浮かべた夏芽の顔だった…
夏芽のこんな顔、見たくない…夏芽の笑顔が好きなのに…
このあと、シャワーを浴びてもらえませんか?浴室から出てくると次郎がいて…
という場面を入れたいので…
次の場面への布石になります。
あっ…拓海の気持ちは、うまく表現できてるでしょうか?
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