澄香がドアを開くと、そこには着物姿の奈緒子がタブレットを持って立っていた。
澄香は毎日奈緒子のことを見ているわけではないが、ここ一週間くらいで雰囲気が随分変わったなという印象を受けていた。
和美人という佇まいはかまわないが、前より若返ったというか、女としてのエネルギーというかフェロモン的なものが満ち溢れていて、女性の澄香ですらドキッとさせられる程であった。
また、その姿に似合わない派手なピアスをしていることと、いつもはしていた指輪をしていなかったことも気になったが、特に指摘しようとは思わなかった。
「こんにちは、長野さん。お休み中にごめんなさいね」といつもとおりの顔で話しかける奈緒子。
「明日、ヨガ教室があるって連絡あったかしら。私はもちろん参加するつもりなんだけど、私もこの年齢でしょう?一人で参加するのも不安なので、知り合いがいてくれたら嬉しいんだけど、長野は参加されるのかしら?」とタブレットを操作し、ヨガ教室の告知のページを見せながら質問する。
奈緒子が話しかけると同時に、ピアスから洗脳電波が発せられて、それを浴びた澄香は一瞬頭がクラッとするが、すぐに回復したため気にも止めずに奈緒子の話を聞いていた。
「長野さんもいつもお仕事ばかりで大変でしょう?せっかくの住人たちの集まりだし、これを機会に気分転換を一緒にしましょうよ。マンション内で行われるから、移動も手間にならないわよ」と澄香が参加しやすいような言葉を並べながらタブレットを操作すると、また画面が点滅して
『ヨガ教室には参加しなければならない』
という文字が現れる。
一時的ではあるものの、昨日より強い洗脳電波を浴びせられ、また、隣人からの参加の誘い言葉も合わさり、昨日の迷いが嘘のように、澄香の頭はタブレットに表示された言葉を無意識に受け入れていた。
澄香が参加を承諾する言葉を述べるのを聞いた奈緒子は嬉しそうに笑みを浮かべると、澄香の耳元に顔を寄せ、さらなる洗脳電波を浴びせながら、
「ありがとう、長野さん。そうそう、参加者への連絡事項も伝えておかなきゃね。」と言うなり、澄香の前にタブレットをさらに突きつけると、再び画面が点滅して
『ヨガ教室は、服装は自由だが下着は派手な下着を着用して参加しなければならない』
という言葉が現れる。
【奈緒子については、華道と茶道を両方使えるかなと思っていました。茶道は、飲み物に何かを仕込んだりできますし、華道は、「女はこのように美しく派手であるべき」的な洗脳をするのに使えるかなと思っていたので、イメの流れによってどちらを(両方を)使うか考えます。
舞踊の発想はなかったのですが、たしかに使えそうな要素ですね。あまり、他の奥様方が奈緒子ばかりなのもアレなので、露出系は別の奥様に委ねましょう(笑)】
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