2026/03/26 11:41:05
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「…。」
羞恥心を誤魔化すように饒舌になっていくのを感じる。
その変化に、男も心中で悟っていく。
脇で寝息を立てる夫に罪悪感を感じながらも、欲情している自分を、もうこの女は自覚しているということを。
何も言わずとも、問いかけずとも言葉が返ってくる。
必死に自分に、夫に言い訳するかのように。
しかし、抵抗できない、しようと思えなくなっていることを離れようとしない身体が伝えてくる。
そのまま畳みかけるように言い訳を並べた直後、女に導かれるように柔らかい胸元へと男の手は運ばれる。
衣服越しでも感じる熱。
緊張、羞恥、背徳、罪悪、興奮、欲情、発情。
あらゆる理性を崩すような感覚が全身を犯しているのをその熱から感じるようだ。
「すぐそこに感じますよ…、由真さんの鼓動を…。」
(堕ちる…目前だ…。
必死に抗っているのかい…?
でももうぎりぎりなんだろう…?
自分から身体に触れさせるように、俺の手をそんなところに持って行って…。)
女の、由真の柔らかい膨らみも魅力的な大きさ。
男を欲情させるには十分な艶やかさを誇っている。
しかしそれを容易に、抱擁するように男の五指が包むようにあてがわれる。
触れられることを、撫でられることを、そして揉みしだかれることを望んでいるのは明らかな、女の膨らみに。
「かまいませんよ…。
彼の目が覚めたら、帰ればいい。
目が覚めたら…。」
その言葉は暗に、「起きるまでは帰るな。」あるいは「起きなければ帰らなくていい。」そう思わせるような雰囲気。
膨らみに沈みこむ五指、は男の意志では動かない。
まだ演じていた。
あくまで由真が男に、自ら胸を触らせているという状況を。
ごつごつとした、逞しく、夫は持たない男らしい大きな手。
しかしそれは動いてはくれない。
焦らすように、あるいはさらに由真の背徳感、罪悪感を募らせるように。
流されるままに、ひと時の迷いで、と言い訳をさせるつもりはなかった。
事が明るみになってしまった時、「誘ったのは私」と言わせる為に。
そしてその状況は概ね整いつつあった。
止めを刺すように、男は言葉を続ける。
数分前に問いかけた…
「由真さん…。
充実していますか…?
満足していますか…?
十分に…触れてもらっていますか…?」
内心でほくそえむ男の心中など知る由もない。
逆に、能動的に、主体的に求めては夫に申し訳が立たない。
そんな心中が手に取るようにわかる男とは、あえて一度は逸らされてしまった話を繰り返した。
そして媚薬に犯され、雰囲気に流され、熱を帯びた体は感じるかもしれない。
今度の質問が助け舟のように聞こえることを。
もしここで否定すれば…。
内に眠る熱を、欲を…、満たせるのではないか…と。
微かに動いた指先が、促すように僅かにニットの内、下着に包まれた膨らみその中心の敏感な突起を…掠めた。