2025/04/11 22:21:27
(BhTyZJ1f)
【はじめまして。まだ見ておられますか?
お相手がお決まりでなければぜひ…。】
この女子校に赴任して10年余り。40が目前に迫った私には小さな異変が起きていた。
軽い頭痛と目眩。その直後気を失い座っていた椅子から転げ落ちるように床へと崩れる。
幸いにも症状はすぐに回復し、その場で目覚める事ができたものの、そこで見た光景は…。
崩れ落ちた私を案じ、揺り動かす教師達の姿。
私の目に映った彼等の姿は、下着姿であったり、中には全裸の者もいた。
『いったいどうしたって言うんだ…。服は…。服はどうしたんだ…?』
辛うじて目覚めた私の混濁する意思の中で、目の前の光景が現実のものと思えない状況に戸惑い、未だ覚醒できていないのだろうと思い込む。
それは教師になる少し前。
教員採用試験の会場から帰宅する途中で起きた。
横断歩道を渡っている最中、居眠り運転の暴走車に跳ね飛ばされたのだった。
数日の昏睡状態を経て目覚めた私は、奇跡的に外的損傷はなく、数日のうちに家に帰ることができた。
それは不幸中の幸い。無事に教員になることもでき、昇進試験を無事に通過する事もでき、今はこの学園の教頭となっていた。
しかしながら事故のことも忘れかけた頃、最近になって気になる頭痛と目眩に悩まされていた。
『コレは…あの時の…何か後遺症的なものなのだろうか…。』
不安に怯える日々を過ごし、一度病院に…と考えていた時に気を失う事態に陥り…。
『何故…みんな…服を着ていないんだ…。』
完全に覚醒しているはず…。それなのに周りの教師達は誰も服を着てはいない。
自分だけが服を着ていることが不自然に思えるほどの状況。
再びあの頭痛と目眩に一瞬目を閉じてから痛みが止むのを待ち、目を開くとそこには…。
日常と変わらない服を着た教師の姿があった。
『夢でも見ていたのか…。やはり一度病院に…。』
その時は気づいてはいなかった。自分自身に特殊な能力が備わっている事を…。
しばらく経ち、あの頭痛を繰り返す度に現実とは思えない光景を目にし、少しずつ覚醒していった能力。
あれから1年…漸く授かった能力を自由に操る事ができるようになっていた。
『さてさて…。高岡先生…今日の下着はどんなものを…?』
朝、誰よりも早く職員室の自席に座り、出勤する教師達を笑顔で出迎える。
そんな日常の光景の裏側では、特殊な能力によって服を透かし見ていることなど誰にも気づかれる事はなかった。
『ほぉ…紫の下着…なかなかにセクシーな下着を…。』
現国教師の高岡先生は文学少女がそのまま大人になったような雰囲気を醸し出し、一番のお気に入りだった。
その清楚なイメージとはとは異なるセクシーな下着を透かし見る行為に没頭する毎日。
それとは対照的に髪の色も明るく派手な化粧を施す林原先生はと言えば、高校生…もしくは中学生が着用するような地味な下着を着けていることにも興味を向けていた。
日々繰り返される透視。その能力は日を追うごとに拡大し、様々な能力を身に着け始めていた…。