痴漢グループの打ち合わせ通りに準備は進み、電車が発車した。

ひと駅、ふた駅…
徐々に乗客は増え、身動きが取れないようになっていく。

そして3つめの駅で大勢の男たちが乗り込んできてはかずみの周りを取り囲むように押し込んでくる。
当然のようにあおいとの距離は少し離れ、男2人分くらい空いてしまった。

あおい「多分このグループです」

あおいが小さな声でイヤホンを通して伝えると、上の荷物置きのところにカメラを隠したバッグを乗せてかずみの顔が映るようにセットした。

あおい(さぁかずみさん。あなたのそのレスで溜まった下半身、気持ち良くなっちゃうところ見せてくださいねぇ♪)

次の日、駅でかずみは白のブラウスに黒のズボンを穿いてあおいを待っていた。

少し遅れてあおいが紙袋を持ってやってきて、かずみに渡す。
(あおいさん、服を持ってきてありがとう。トイレで着替えてくるから、少し待っていて)

女子トイレに入って、服を脱いで白の下着姿になると紙袋を開けると下着まで用意されていた。
下着を外し、あおいが用意してくれた赤のレスの入った前でとめるフロントホックブラに両端紐で結ぶタイプの赤のＴバックを穿く。
上は胸元が開いた赤のぴちぴちのタンクトップにおへそが見える黒の丈がギリギリの超ミニスカート。

トイレから出て、あおいに見せるといいと褒めている。
(恥ずかしい？このスカート短すぎない？少し、屈んだだけで下着が見えそうだよー)

先程かずみが着ていた下着や服が入った紙袋をあおいに渡すとコインロッカーにしまってくると言って去っていく。あおいはかずみに気づかれないように紙袋をゴミ箱に捨てて戻ってくる。
これでかずみはこの服を着て、家に帰ることになってしまったことは知らない。

電車が駅に入ってくると、かずみとあおいは離れて乗り込んでいく。

あおい「わかりました。じゃあ明日持って行きますね！」

あおいは快く返すと会議室を出て行った。


翌日

警察署の最寄り駅の駅のトイレで露出の多い服に着替えたかずみ。

あおい「似合ってるじゃないですか！いかにも痴漢したくなるような感じですよぉ〜♪じゃあかずみさんの服は私が預かっておきますね！」

かずみの服が入った紙袋をあおいに手渡し、2人は同じ電車に乗った。人ひとりが割り込めるほどのスペースを空けて並んで立つ。

かずみはあおいに相談すると…
(ミニスカートか？胸元が開いた服がいいの？Ｔバックは持っていないし、穿いたことがないの)

普段のかずみは地味でほとんどズボンしか穿かず肌を見せる恰好はしてくこなかった。

(そうだね。囮捜査が上手くいくようにあおいは地味な格好がいいわね。後、痴漢した証拠としてカメラで撮影して置いて。痴漢グループが言い逃れできないようにしないと。おおいは服を持っているなら借りてもいい？私はそう言う服は持っていないのよ。お互い、連絡取れるように耳にイヤホンつけて行こう。)

まさか、この囮捜査が痴漢グループにバレているとも知らず、あおいと真剣に話をしていた。

パンパンパンパン…

浦田本部長とかずみの後輩である吉本あおいとの秘密の逢瀬。不倫で愛を育み始めてからそれなりに時間は経っている。が、誰にも知られてはいない。。。


翌日の署内会議室にて
「痴漢グループから、リアルな警察官モノの動画を撮りたい。ついでに都合のいい穴も欲しいと裏で取引を持ち込んで来たんだが、誰か適任はいるか？」
「佐伯さんなんかどうですか？結婚してからレスになってるって最近言ってるし、ちょうどいいぐらいかと」
「ほう、佐伯かぁ。いいね。じゃあ2人で囮捜査にでも行ってもらおうと思うが協力してやってくれ。成功したら温泉旅行にでも行こう」
「わかりました、本部長、、、」

数分後
あおい「佐伯さん、浦田本部長が私と一緒に来いと呼ばれています」

かずみとあおいが本部長室に呼ばれると、

浦田「……ということだ。囮捜査にはなるが引き受けてくれるか？」