2025/07/26 12:31:26
(Hz2GFPOp)
「勿論でございます。お暑い中御足労いただきありがとうございます。」
一見になるかもしれないのを前提での来客にも快く対応。
灼熱を冷やす様な空調とは相反する温かみのある表情で受け入れていく女性従業員。
「三人の御家族で…ン~…2LDKにお住まいで…ア~…娘様が…ン~…
畏まりました…立ち話も難ですので、どうぞ、あちらへ。ご案内いたします…」
貴方の簡潔な経緯説明に相槌を適度に打ちながら親身な態度で聞く女性。
一通り聞き終えるとにこやかに笑みを浮かべ、右手を奥へ向けて案内をしだした。
「いらっしゃいませ…」
「いらっしゃいませ…」
パソコンに向かう男性従業員達が挨拶をしていく中、カウンター横を通り奥へ歩く二人。
縦に商談スペースと思われるテーブル席が三つ並ぶ。
先客がいないのか全て空席。
「どうぞ…」
女性従業員は一番奥の席を案内。
自身は奥側へ着席し、貴方は手前側へ。
腰を下ろせば頭一つ分だけが見える様なスペースで、周囲からは女性従業員の顔が見える造りになっている。
他の2席は角度的に二人とも顔や体が見える造りで、当席はより個室に近いものになっていた。
より落ち着いた商談を気遣ってか、この席を選んだのだろうか。
「改めまして、御来店ありがとうございます。
わたくし、当店の物件案内を担当しております、勝木…と申します。
どうぞよろしくお願いいたします…」
女性従業員は一礼すると貴方に名刺を差し出した。
勝木…里奈…というらしい。
20代半ばくらいだろうか。
「御家族が三人おられて…娘様のご成長を懸念されて、現在のお住まいよりも広い物件を探されてるんですよね。
確かに、2LDKはちょっと狭くなってくるかもしれませんね(笑)
え~仕事部屋…と言いますと、具体的にはどういったものでしょうか?差し支えなければで結構なのですが…」
貴方のプライベートな事情を話題に出し、笑いも含ませながらにこやかに話していく勝木。
きっちりとした礼儀を弁えながらも、どこか親しみやすい人柄。
ベテラン、と言うには若すぎるも、確かな経験を伺わせる接客だった。
両手は膝上へ添え背筋を伸ばし、より貴方のイメージを知ろうと深堀していく勝木。
『既婚者…ね…三人家族で娘あり…か…
誠実で比較的爽やかそうな風貌…良い旦那様に感じるけど…
…この人は…どうなんだろう?…』