アナタはとある伝統ある私立学園の一人娘の私の許婚。
政略的なもので幼い頃から教えられており、お互いにそれを不思議と思わなかったし、成人して暫くしたらアナタを婿養子に迎え結婚する。と確約している。
アナタも私も好きは好き、でも燃えるような恋愛でないからか刺激が足りない。
私たちは刺激に飢えていた、そんな時に“あの女”に出会う。
「〇〇(許婚)、公立小中ってどんな感じだった?お父さまたちったら一般感覚を知ったほうが後々のためになるって
小中、別だったのは寂しかったわよ、でも体育祭も文化祭も私、参加(見学)させてもらったか可笑しい女子、〇〇に告白とかラブレターとかバレンタインとかなかったわよね?」
そんな話をしてるのは高等科入園式当日、婿養子の祖父が理事をしている理事長室での会話。
その会話の中には学園長をしている同じく婿養子の父とその秘書の桜井智。
その頃、職員室では〇〇の指導係、桜井智の長男である日本史教師の桜井和也と新人英語教師の後藤なつみが紹介されている。
「他校から赴任して参りました、桜井和也でございます、1年特A組の担任をさせて頂きます。
皆さま、何卒宜しくお願い致します。」
深々と頭を下げる桜井和也。
「今年から教師になりました後藤なつみです、よろしくお願いします。
桜井先生と同じく特A組の副担任をします。」
元気一杯あいさつした後、ペコッと軽い会釈で頭を下げる。
学年主任「今年の特A組は理事長一族のお嬢さまの…、桜井先生はご存知ですね、一条優愛さまとその許婚の〇〇さまがご入園されるのでお気をつけてください。」
「はい!他の生徒と変わらず接するよう心がけます。」
「後藤先生、違いますよ、言葉遣い態度などに気を付けてくださいと言うことです。
優愛さんはお心お優しいですが礼儀知らずを嫌うきらいがあります。」
キョトンとした顔の後藤なつみ。
「礼儀知らずですか?」
「えぇ、世が世なら〇〇のお姫さまでしたからね。」
「お姫さま…、でしたら尚のこと一般生徒変わらず接するのが大事です!」
「桜井先生、後藤先生はきっと理解していらっしゃらないからフォローよろしくお願いしますよ。」と学年主任。
「学年主任、私は忠告しました、後藤先生、もう一度だけ忠告します。
礼儀を重んじず軽はずみな振る舞いをしないようにして下さい!」
「えぇ、軽はずみなんてしないですよ。」
一緒に後藤なつみを退屈しのぎの材料、玩具にして遊びましょう。笑
理事長室での会話から入園式への流れです。