立場逆転

すっかり出世街道から外れた５３歳の窓際族のリーマン。定年までの数年を何事も無く静かに過ごせたら良かったのに…
それなのに今日も…あの女に部署内で公開処刑され、良い見世物にされてしまった。許されるのなら、逆にあの女に平手打ちをかまし、辞職願を叩きつけたいものだが…そうもいかず。
せめてもの憂さ晴らしにデリヘルを呼んであの女の代わりに鬱憤を晴らしてやろうと、NGの無い貴女を指名してホテルで待っていた。

指名が入りあなたのところにいつものようにインターホンを鳴らします
『M女専科のレイです』

部屋のインターホンが鳴り、指名したレイがやって来た。私はどことなくあの女に似ていて憂さ晴らしにはもってこいと思い呼んだのだ。
「は～い…」
そう応えて扉の方に向かう。あの女をイメージする為に服装はスーツ姿を予め頼んでいた…
「ガチャ…待ってたよ～レイちゃん…！！」
扉を開けて目の前に現れたのは、スーツ姿のあの女にそっくりな嬢…では無くて、あの女が立っていた…
「か…課長…」
驚いた…今日の会社の格好そのままのあの女が立ってたのだから。私は考えるよりも早く、スマホを取り出すと、その姿を写真に撮っていた…

空いた扉から出てきたのは出来の悪い年上部下の佐藤

『えっ？佐藤さん？』

お店に電話をかける
『あっ、すいません
レイですけどお客様からキャンセルを貰いまして』
電話してるときの写真を撮られる
電話を強引に奪い佐藤ですけどキャンセルじゃないですと言い勝手に切られる
手招きされあたしは仕方なく中には入る

玲奈を呼び込んだ私はベッドに座ると。
「課長…さっさとこっちに来てくださいよ…」
そう言って、入口に立ってる貴女に催促する。
「勝手にキャンセルの電話なんかしちゃって…するわけないじゃないですか。デリヘル呼んだら氷の女が来たんですから…めちゃくちゃ嬉しいじゃないですか。」
そして私は早々にトランクスだけの姿になると、スマホを片手に玲奈を撮りながら。
「早くこっちに来て挨拶しないのか？…指名の御礼の挨拶を…あぁ、名前はレイじゃ無くて玲奈で頼みますよ♪…」
この店は通常、部屋に入って店に連絡を入れると、床に正座して自分を指名した御礼を客に向かってする。しかし、嬢が玲奈なのであれば、源氏名ではなく本名で挨拶させようと、そう話し掛ける。