強固な意志が肉体の快楽によって崩れていく。
男に崩されるのではなく、自ら崩れていくのが
谷ナオミ演じる女なのだ。
そこに同性としてたまらないエロスを覚える。
男と女はこれだけでいい。
名前などわからなくても、しゃれた会話などな
くても、つながっていれば、何もわからなくて
もいいのだ。
若いころ、この作品を観てそんなふうに思った
ものだった。
恋だの愛だのといっているうちは、男と女のこ
となどわかりようがないのではないか。
言葉でわかろうとすることなど本来不要で、本
能だけでつながる男と女のほうが動物としては
正しいのではないか。