続き四輪駆動の軽自動車を走らせ走らせ目的地に辿り着いた。ついに来たぞ、老夫婦の家。感無量の私であった。藁葺き屋根の母屋、その並びに納屋の存在を確認した私であった。老夫婦は、畑仕事に出ているようで、留守であった。山の向こうに陽が沈みかけた頃、老夫婦は農具を手に手にして戻ってきた。家の前に佇んでいた私を見て驚いている様子の二人であった。私は言葉でお願いするよりも先に、老夫婦の足下に土下座をした。地面に額を押し当てて、只々お願いをした。無法なお願いと知りつつも、煙草の葉の匂いがする地面から額を離さなかった。ひたすらに老夫婦からの言葉を待った。そしてその場で、老夫婦と私の遣り取りが始まった。私は地面に正座をしたままでお願いし続けた。私のあまりの必死な懇願に根負けした老夫婦は、私の願いを聞き入れてくれた。寡黙なご主人は黙って聞いているだけであった。婦人との交渉の末、話しは成立した。私は老夫婦に背を向けた。そしておもむろに背中の上で手首を重ねた。縄掛けの姿勢をとった。その時既に私の股間の物はズボンの前を押し上げていた。が、固いジーパンの生地がそれを阻んでくれて、老夫婦の目にはとまらず済んだ。そこでご主人が、ようやく重い口を開いた。「わしがあんたを縛ればいいんかい。」「いいえ、勝手を言って済みませんが、奥様の方に槌槌槌」一瞬の沈黙が流れたあと。「ここまで言ってるんだ、やってあげなさい。」夫の言葉にうながされた婦人は、小さく頷いて言葉にしてきた。「確か納屋の柱に括り付けて欲しいと槌槌槌」そう言って、私を促してきた。私は静かに首を横に振り、思い切って言葉にした。「此処で縛って下さい。そして納屋まで引き立ててください。」そこで初めて柱に括り付けて欲しいのです。「へぇー」婦人は呆れたように、素っ頓狂な声を出した。そして仕方ないといった様に婦人は納屋に向かった。戻ってきた婦人の手には縄が握られていた。それは、夢にまで見た荒縄であった。「お願いします。」と言って、婦人に頭を下げた。背中の手の姿勢は崩さずにいた。手首から荒縄の感触が伝わってきた。締め付ける荒縄のザラ付きと、時折り触れる婦人の手の温かさが相まって、「本当に縛られているんだ。罪人の様に縄掛けされているんだ。」私の頭はクラクラと桃源郷を彷徨いはじめた。婦人に捕らえられた惨めな泥棒を思い浮かべて悦に入った私であった。ギリギリと手首に縄を掛けてくる婦人の力強さ。やはり長年の農作業で鍛えられているものは理屈で計り知れない。ついに囚人の私が此処に完成した瞬間であった。婦人に縄尻を取られて歩む納屋までの道行に、このまま時間が止まってくれればと、祈らずにはいられなかった。場所は納屋に移る。テレビで観た煙草の葉が吊るされている風景そのままの納屋の内であった。夢にまで見た納屋、柱と柱の間に渡された縄。そこに吊るされた煙草の葉からの匂いで私の嗅覚は圧倒された。もともと煙草を吸わない私には、これだけでも一種の拷問にも近かった。その煙草の葉を渡してある奥まったところの柱に縄尻を取られた私は歩まされて行った。そうしてその後、一旦縄を解いてもらった私は、全裸となって、改めて厳しい縄掛けを婦人に望んだ。今度は、手首だけではなく、胸縄、腹縄。そしてとどめの縄として、腹縄から下に延びて尻を割る縦縄を望んだのであった。流石にそれに対しては、婦人も躊躇して、了承して貰うまでには、かなりの時間を費やした。
...省略されました。