コロナ禍前の話。
サークルが貸し切った別荘地で朝を迎えた私が、窓から外を眺めていたら、首輪を着けた裸の女を連れた男性を見かけた。
「おはようございます」
「お散歩の時間ですか?」
と尋ねたら、
「はい、せっかくなので」
と言うので、
「私もご一緒しても宜しいですか?」
と訊いたら、快諾してくれたので、パジャマ姿のM男くんに首輪を付けて、外に出た。
「おはようございます」
と挨拶をしたら、裸の女は黙ったまま会釈した。
「すいません。コイツは人見知りなので」
と、飼い主の男は答えた。
「アナタも挨拶は?」
とM男くんに一喝すると、小さな声で
「おはようございます」
と言った。
「すいません、ウチのは人見知りはしないのに、気が利かないんです」
「それでは、お互い様ですね」
と言って、飼い主同士で意気投合した。
「まったく、女の子が裸だと言うのに、ウチの子は恥ずかしがってパジャマを着ていて、私の方が恥ずかしいですよ」(笑)
と言ったら、
「ウチのも、最初は嫌がってましたよ」
「でも、根気よく調教すれば、すぐに馴れますよ」
と言って、自分のペットを自慢し始めた。
オークションで購入したと言うペットは、前のオーナーに酷い虐待を受けていて、新しいペットを飼い始めたら、邪魔になって出品したらしい。
「じゃあ、調教もご苦労されたでしょう」
と言ったら、男はリードを引き寄せて、私達の見ている前で、女を抱き寄せ、
「意外と簡単でしたよ。コイツは生まれつきのマゾだったから、こうするとスグに悦ぶんです」
と言って、女の豊満な乳房を鷲掴みにした。
「あぁん、ご主人様、恥ずかしいです」
と言って身体をくねらせた。
「なかなか良い反応ですね」
と褒めたら、男は薄笑いを浮かべた。