翌日に成人の日を控えた連休二日目。
私はSMサークルで知り合ったサトコ(仮名)の家へ行った。
高級住宅街の中にある豪邸は、とても静かで、匂いも独特。
庶民の私には、こういう雰囲気が、少し苦手だった。
塀の内側は別世界。
災害孤児だったサトコが暮らしているとは思えないような家に、私は圧倒されていた。
行儀見習い中の彼女を応接室で待つ間、サトコの養父母と共通のライフワークであるボランティアの話に花を咲かせていた。
しばらくすると、習い事を終えたサトコが来て、私を見ると、子供みたいにはしゃいで、ハグをしてきた。
養父母の前で、納会の後の話をしていると、二人は微笑みながら、サトコを見つめていた。
養父にとっては別世界の話。
庶民だったサトコと養母と私の女子トークに、養父はオーバーに反応していた。
夕食後、使用人さん達が別棟に帰ると、私は家族と入浴する事になった。
広い脱衣所で、四人で服を脱いでいると、養母は夫の脱衣を手伝っていた。
私とサトコは、二人の邪魔をしないように、先に浴室に入った。
広い浴室はガラス張りで、ライトアップされた中庭の芝生が、ゴルフ場の浴室みたいに思えた。
洗い場で身体を流すと、夫妻が入って来た。
威厳のある大きな身体に、立派なイチモツを揺らしながら近づいて来た養父に、思わず見とれてしまった。
サトコに促され、洗い場を二人に譲ると、彼は私の身体を見ながら、
「りなちゃんは、いつ見てもキレイだね」
と言われた。
誉められ馴れてはいたけど、社交辞令でも嬉しかった。
会社だったらセクハラ発言だけど、オチンチンとは呼べない立派なイチモツを下げた殿方を前に、私のオンナの部分が疼いていた。
(誘われたら、どうしよう)
と、自意識過剰な妄想が過った。
裸になっても漂う気品が、夫妻から伝わって来た。
すっかり二人に見とれていた私に、サトコがちょっかいを出してきた。
「お姉ちゃん、ワタシの事も見てよ」
と、22歳の大人とは思えない幼さで、甘えて抱きつくサトコ。
「りなさんを困らせては、いけないよ」
と、サトコを諭した養父の声が、浴室に反響して、私の欲望を掻き立てて来た。
悔しいけど、ベテランのS男との格差を実感した。
目には見えていながらも、何かが見えていない。
そんなオーラを漂わせる男性を目の当たりにして、サトコや奥さんには言えないオンナの自分に気づいた。
つづく