仕事帰り、私に調教されたいというメンバーと待ち合わせした。
単身赴任の既婚者で、ハメを外したいらしい。
月に数回は嫁が来て、身の回りの世話と、セックスをして行くという。
食事をしながら、愛想笑いを浮かべる男は、色々と話しかけて来るが、私と視線を合わそうとはしない。
理由を訊ねると
「都会の女性は緊張する」
と答えた。
元々ノーマルだったという男は、SMに関心を持ち始め、嫁を縛るプレイもしているらしい。
男の見せるスマホの画面には、縛られた女が、目を潤ませている画像が映されていた。
「女を縛りたいなら、別の人の方が良いんじゃないかな?」
と訊ねると、男は食い下がって来て、
「違うんです」
「僕はイジメられたいんです」
と言い寄って来た。
訊けば、妻の悦ぶ姿を見ながら、自分が凌辱される姿を妄想していたと言う。
そんな願望がある事を嫁にも言えず、悩んだ挙げ句に、サークルへ入会したらしい。
ハードなプレイは、何度か経験したらしいが、他のM男さんから私の話を訊いて、興味を持ったと言う。
食事を済ませて店を出ると、私は繁華街の路地裏に男を導いて、後ろを向いた。
「ここで私に痴漢してみて」
と言うと、男は戸惑いながら、
「僕が痴漢するんですか?」
と訊ねてきた。
「私を悦せられたら、プレイしてあげるけど、下手クソだったら、大声をあげてアナタを痴漢として、警察に突き出す」
と脅すと男は、しばらく黙ったままだった。
「するの?しないの?」
私は強気に畳み掛けた。
しばらくして、意を決した男の手が、背後から迫り、私のお尻を触り始めた。
無言で触れる手は、遠慮がちに動いていた。
私も黙ったまま、男の手の感触を楽しんでいたが、退屈だったので、
「大声、出しちゃおうかな?」
と一人言を吐いてみた。
「あ、いや、それは、ごめんなさい、」
背後で焦る男の様子が面白い。
「そうよねぇ。」
「旦那が単身赴任中に、痴漢で捕まったら、会社もクビになるし、奥さんやお子さんも困るよね?」
と畳み掛けると、男は取り乱し始めた。
「ど、どうしたら良いんですか?」
と訊ねて来たので、私は振り返って
「お手本してあげるね?」
と言い、男をビルの壁に押し付けた。
片手は上半身、片手は下半身を責める。
背後から上着を捲り、ワイシャツの上から背骨を撫でながら、片手はお尻から太ももを伝って、膝の裏を撫でる。
「あぁ、あぁぁ、」
通りの騒音に混じって聞こえてくる、男の喘ぎ声に興奮する。
「どう?気持ち良いの?」
と訊ねると、男は身体をくねらせながら
「はい、最高です」
と答えた。
背中を撫でる手は、肋骨に沿って厚い胸板に達して、敏感になった乳首を撫でる。
一方の手は、膝頭から太ももを通って、膨らんだ股間を撫でる。
私は、男の筋肉質な背中やお尻にオッパイを押し付けて、時には口を着けた布越しに、熱い吐息を吹き掛けた。
「ゥオホッ、ウハッ、」
感度の高まった男は、野性的な呻き声をあげ、首筋に吐息を吐くと、
「ひぁあ、」
と言って崩れ落ちて果てた。
「あぁ、はぁ、」
息を切らしたまま、地べたに座り込んだ男の前で、私は彼を見下ろした。
「どう?満足した?」
と訊くと、男は微笑みながら顔を上げた。