古い畳の匂いと雰囲気のある障子。年月を経てきた木の柱と天井。竜馬さんや土方さんの時代から建っている祖母の家は昔ながらの日本家屋で、建っているのが山奥の田舎で無ければ豪邸といえる屋敷です。
そんな家にある、庭に咲く梅の花の匂いのする離れ。そこで私ははだけた着物を着て、手足を縛られて転がされている……
戦に負け落ちた武家の娘が囚われ、あとは犯され凌辱され慰みものにされるだけ……
――みたいなイメージでした自縛です。
正しい着付けを知らないで着た着物は自然と乱れて、納屋でみつけた荒縄は肌にくい込んでチクチクささります。
いつもみたいにバイブの責めもなく、ただ拘束されて時間だけが過ぎていくだけなのに身体はどんどん熱くなります。
息もうまく出来ないほど興奮してぼーっとしてきた頭。耳に聞こえてくるのは、どこかで鳴いてるウグイスの声。荒くなった私の息。アソコに刺激が欲しいと身をよじる下半身の布擦れと縄の軋む音……
携帯の電波も届かない、世界から隔離されたような異郷。ここは静かすぎて、自分だけが時間から外れてしまったような、自分だけが異質なモノ……異常なモノという幻想。
それは、いつもとは全く違う感覚でした。
ただ、
イクにイけず、ただ、違う環境だけを頼りに快感を感じていた私はいつの間にか意識を手放し、気がついた時には陽が傾いていました。