俺が住んでいた団地は県営団地、一号棟~十三号棟の十二棟(四号棟は無し)、四階建てで一階に十の部屋がありました。
一~七号棟は道路に近いとこに、八~十三号棟はちょっと奥の小高いとこに建ってました。
四百世帯以上がそこに集中してるわけで、子供の数もかなりでした。
赤ちゃん~高校生まで、マイホームを手に入れた、転勤等、出入りも頻繁でした。
本文に出てきた祐希、里子、博の他に、同世代の友達、明や健次郎、広子や千秋、学校の高学年グループが形成されてました。
俺の妹などは低学年グループ、俺達高学年グループ、中学生グループ、高校生グループみたいな感じでした。
団地という狭い集合体で生活していたためか、今考えると変な仲間意識はあったと思います。
学校には団地以外の友達とかもいるんですが、一戸建てに住んでる友達を、団地に呼んで遊ぶことはありませんでした。
狭い団地の部屋を、広い一戸建てに住んでる子に見せたくない、そんな気持ちがありました。
俺が一戸建てに住んでる友達に呼ばれれば、ほいほい遊びに行くのに、です。
里子は高学年グループの中でも、リーダー格でした。
六年生の男の子もいたんですが、六年生男の子は中学生グループの手下みたいな感じになってて、時々は遊んだりもしましたが、あまり接点を持とうとはしませんでした。
うちも祐希も博もそうでしたが、念願のマイホームを手に入れたら出て行くわけです。
比較的長く住んでたあの四人の中に、リーダー格里子がいたから、ああなったんだと思います。
リーダー格里子、小心者の俺、強気の博、大人しいんだけど好奇心旺盛な祐希、その微妙なバランスがそうさせたのかも。
本文では触れませんでしたが、俺は正直、祐希に恋心みたいなのを持ってました。
里子の相手しながらも、俺はチラチラ祐希を見てました。
博と俺、祐希の三人だったあの一度だけ、俺は祐希にしてもらっただけ(高校では三年してもらってましたが)です。
祐希にしてもらいたくて、祐希にお願いしてみようかな、何回か思いましたが、小心者の俺には出来ずにいました。
黙って里子にしてもらってた方が得、みたいな考えがありました。
だから博が祐希にしたことが、やはり嫉妬なんですね、許せなかった感がありました。
今、博、祐希、里子がどうしてるかわかりません。
その三人のうち、一番誰に会ってみたいか、それは里子です。
中学生になった途端、ぴたっと俺を遠ざけたことを聞いてみたいです。
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