とは言っても、あからさまに逃げられた訳ではない。これは脈アリと考えた俺は、もう一度姿勢を直し、兄貴達から死角になるように、今度は思いっきりべったりとつま先と太ももをくっつけた。
テーブルの下の世界のことで、俺も完全に状況を把握していた訳じゃなかったから、思ったよりもどっしりと俺の足と便璃のふとももが密着してしまった(便璃も若干対応に困っていたようだ)。
しかし今度は逃げられないように、トントンとつま先で軽く便璃の太ももにノックしながら便璃に話しかける。兄貴達からは俺らが普通に会話をしているようにも見えるけど、実際は謎ボディタッチが繰り広げられているこの状況。そして追い打ちをかけるように、
「正座きつくない?」
というニュアンスの言葉をさりげなく発する。
それが功を奏したのかは分からないけど、ゆっくりと膝を崩し、お嬢様座りのポーズになる便璃。これの意味するところは地味に大きい。便璃の内腿が(正座の時よりも)露わになったのだ。
ということで、(兄貴達からの死角という意味では若干リスキーではあったが、)今度は慎重に、俺のつま先を便璃の膝と膝の間に置き、ちょっと身体が動く度に便璃の太ももをくすぐる、そんな状況を作った。
表面上、俺たちは普通に会話を続けているだけだ。しかし水面下で繰り広げられる、熾烈な主導権争い。もちろん現時点での主導権は俺。そんなやりとりがほんの数分行われた後、面妖な……もとい、素敵なことが起こった。
「……!」
便璃が、顔を紅くしながら笑顔で俺と会話している!
文章にすると「なんだそんなことかよ」って感じだけど、その時俺は不覚にも、こんな年下の少女を相手に壮絶な色気と達成感を感じていた。
「……?」
で、更に驚くことに、便璃の姿勢がいつの間にか、お嬢様座りから最初の内股正座の姿勢になっていたのだ。要するに、その気になれば俺の足を便璃のアソコにジョイントできる状況になったってこと。
しかし、流石の俺も即ちそれを実行するのは紳士的じゃないと思ったし、第一その部分は、テーブルから死角になるかならないか際どい位置といったところ。仮に互いが俄然やる気だったとしても、兄貴達にばれるのだけはあってはならない。
ということで俺は、とりあえず据え膳を喰うように、無防備に開かれた両膝の間に堂々と足を置き、太ももをくすぐるようにクネクネとつま先を動かし始めた。
続きます。
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