続き
「マキちゃんの唾ってどんな匂いなんだろ?」
しばらく触れてヌルヌル感に浸った後、匂いを嗅ぎたい衝動にかられた。
しかしこの行為は何か罪悪感もあった。俺ってこれじゃ変態だよ。と思った。
けど、興味というか本能が欲してる感じで、もう逆らえない。
ゆっくり手を鼻に近づけて匂ってみる。
大好きなマキちゃんの唾の匂い、それはイチゴのような甘酸っぱい匂い・・・
ではなく、言葉では言い表せないリアルな生々しい匂いだった。いい香りというわけじゃない。
もしもこれが謎の液体でこの匂いだったらすぐに手を洗う。
けどこれがマキちゃんの唾というだけでとてつもない興奮を覚え、僕の股間はここで完全に勃起した。
僕はとてつもない一線を越えた気分になった。学年のアイドル・マキちゃんの唾の匂い。
マキちゃんだってそんな恥ずかしい部分は知られたくないだろうし、悪いと思いながらも、
誰も知らないだろうなぁと思う領域に踏み込んだ自分。罪悪感と優越感が混じった妙な気分だった。
そしていよいよ本題だ。
僕の右手はマキちゃんの唇に触れ、その上唾まで付いている。仮想の口が出来上がっている。そう思い込んだ。
ゆっくりと口を持って行き、唇を重ねた。
「あぁこれがマキちゃんの口の味なんだ・・・」
そう思いながらしばし自分の手をマキちゃんの口と思いキスをした。
一応、ファーストキス奪取!!
その後・・・少しの間は、いじられキャラの逆襲とばかりに優越感に浸る毎日だった。
マキちゃんも相変わらずで接してくれたから悪いとも思ったけど、圭介やマキちゃんが好きだという男子を見ては心の中で
「お前らは知らないだろう」と心の中でつぶやいた。
ちなみに予定通り圭介とマキちゃんはキスをしたらしい。
その話を聞いたときも、男子はみんな悔しがっていた。でも僕は圭介もやっとあれを味わったんだ。と余裕で思った。
それは初めて圭介に勝った気分だった。
確かに唇どうしを重ねあうのが完璧なファーストキスだ。それは認める。
けどそれより先にマキちゃんの唾と僕の唾は混じりあった。これもまた事実。
僕はマキちゃんの唾を“初めて味わった男”と心の中で自信を持つようになった。
色んな意見はあるだろうけど二人のファーストキスを妨害し成立さなかったと思っている。
ま、僕の心の中だけにある秘密です。
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