気がついたのは、フカフカのベッドの上だった。
ベッドサイドの薄暗い照明がついただけの部屋だった。
周りを見回してみると、ベッドの前にソファと低いテーブル、その前に大型の液晶TVがボードの上においてあった。
その時、部屋のドアが開いた。
シルエットからバスタオルを胸から巻いている事が判った。
そして、胸からバスタオルを巻いていることから、その人物が女であることが判った。
部屋の奥の方へ入ってきた女の顔にベッドサイドの照明があたる。
女は、アズアズだった。
その時、僕とアズアズの目が合った。
「ひろ、気がついたんだ」
アズアズが、良かったと言うように言った。
「・・・・・・・・・・・・」
僕は、バスタオル一枚だけの姿にドキドキして、ただ頷くだけだった。
「あっ・・・汗、かいちゃったし、シャワー浴びたんだ」
アズアズもバスタオル一枚で僕の前にいることに恥ずかしそうに言った。
「すぐに・・・・服、着るから・・・・・・」
アズアズは、慌ててソファの上に脱がれた服を抱えて部屋を出て行こうとした。
「ここどこ?」
僕も状況に混乱して、間抜けなことを聞いていた。
「えっ・・・・あっ、ひろの家わかんないし・・・終電も行っちゃてるし・・・・あたしの家ってもなんだしね・・・・」
アズアズに聞かずとも、ここがラブホであることは、部屋の雰囲気から明らかだった。
「・・・・だから、別に・・・・深い意味はないから・・・・・・・」
アズアズは、そう言うと小走りで部屋を出て行った。
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