深刻な顔をしてMが入ってきた。
「明後日、一時保護になる…」
泣きそうな顔。
「先生に、会えないの、イヤ…」
「仕方ないだろ、Mを守るためなんだから」
「ヤだ…ヤだぁ…」
ついに俯いて泣き始めた。
そんな理由で泣いてくれるなんて、嬉しくて抱き締めたくなってしまう。
が、私は教員。私は教員…
自分に言い聞かせて宥める。
「とりあえず、鼻かみなさい、コーヒー飲もう、な?」
コーヒーを持ちながら、Mが話し始めた。
「私さぁ、たぶん、セックス依存症なんだ…
誰とでもしたくなるし、前にも言ったけど、よく悪いことしてたし。
(彼女は家で眠らないように、援助交際していたらしい)
でもね、なんか先生には違うの…
なんか、よくわかんないけど、先生好きで、愛しくて…
あぁ、別にコクりたい訳じゃないのに…」
なにやら顔を真っ赤にして、必死に喋っている。
顔が熱いから、きっと私の顔も赤いのだろう。
何年かぶりの、愛の告白。
生徒に好意を持たれた時の対処法みたいなものを、昔習った気もしたが
自分には無縁だと思っていたし、無縁だったし、覚えていない。
だから、自分に正直になることにした。
「俺、教員辞めようかな…」
「え?」
「俺も、会えないの嫌だ、って言いたい…
「…先生、抱きついてもいい?」
「…いいよ」
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