目的地についた。
いわゆるスーパー銭湯のようなとこだった。
「ここ?」
「うん、腹減らない?」
「少しだけ」
敷地内にあるレストランに入った。
食後のコーヒーを頼もうとしたら遮られた。
それはキスしたい彼の合図だった。
彼はコーヒーが苦手で、私がコーヒーを飲んだ日はキスを嫌がっていた。
私はコーヒーをやめてレモンティーにした。
彼が満足気に私の手を握ると私の中で葛藤が始まった。
そもそも嫌いになって別れた訳ではない。
遠くに転勤になった彼に着いて行くには、お互い気持ちが固まってなかった。
目が泳ぐ。
喉が渇く。
私は出されたレモンティーを飲み干した。
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