2018/10/13 14:24:10
(ALR/pBfr)
日課のジョギングだから当然、翌日も。
今日は濃霧が出て無い。小学生の集団登校の時間でも濃霧が残ってたなぁ、などと考えていると昨日の女の子を思い出していた。
確か、ジョギング姿だったので、私と同じランナーだよな。近所に居たっけ?あんな子。等と思いながら工務店前を通過。左をチラッと見た。
『青山ん家……?』
小学生の同級生の方向はこの数年で様変わりしていた。2、3軒の民間から先は田畑だったのが、ちょっとした新興住宅地になっていた。
『違う家の女の子かな』
などと考えながら走り続け、ラストスパート。また会うなら、このタイミングの時間か。
工務店手前で、左を確認する準備をしていたが、手前で昨日の女の子が飛び出した。私のラストスパートコースにいる。
普通のペースで充分、直ぐに女の子に追い付いた。白のTシャツにブルマ。
『おはよう!』
振り替える女の子
『おはようございます』
『昨日ごめんな!(ハァハァ、)』
『……いえ』
『怒鳴ったけど、(ハァハァ、)怒ってないから(ハァハァ、ハァハァ、)』
『……はい、私も』
しばし沈黙から
『何処ん家の子?(ハァハァ、)』
『青山』
『えっ?(ハァハァ、)』
『農家の青山』
『…………あーっ、青山の、(ハァハァ、)下の子!?』
『うん、』
『えっ、と、名前(ハァハァ、)何だっけ?(ハァハァ、)』
『ヨシコ』
『あ、あーっ、(ハァハァ、)そげだ!、ヨシコだ!(ハァハァ、)』
すっかり忘れてた。青山の妹、としか認識していなかった。
『そげか、走っちょうかや?』
『うん、』
『なして?』
『トライアスロン』
『は?何それ』
『知らんの?』
知るハズが無い。私はバカだ。当時、日本で普及し始めた(それすら疑わしい)オシャレなスポーツが、その後の印象にしか私には映らなかった。
『ふ~ん……それ楽しいの?』
『わからん』
『は?』
『やりたくなった』
聞けば、テレビでトライアスロンの事を初めて知り、見よう見まねで始めてみた。始めたばかりだそうだ。
そう言われて、改めて妹ちゃん改めてヨシコの肢体をマジマジと見た。
『あれ?』
『……………』
『それ、ブルマじゃないな?(ハァハァ、)』
『…………』
『なぁ、』
『水着』
そう、ヨシコはスクール水着にシャツを着て走っていたのだ。