2014/04/17 17:15:26
(kE3EWxt5)
俺の顔もおそらく真っ赤だったでしょうが、仁美の顔も真っ赤、耳まで真っ赤になっていたのが印象的でした。
そして仁美がなんと返してくるかに、怯えていました。
「え?あの、その」
控え目で大人しい、でも大人びた雰囲気はそのときは無く、ただただうろたえている様子でした。
仁美のことだから、学校の男子生徒から、幾度となく交際を申し込まれたり、告白されたりしているだろうと思っていた俺、だからうろたえていた仁美に驚きました。
「す、き、ですって言いました、よね?」
仁美は震えてるようで、口元が怪しい様子でした。
俺がそれに首を縦に振ると、仁美は両手で鼻口元を覆いました。
うそ~みたいな感じでした。
「あ、あ、あり、がとう、ございます」
そう言うと仁美は、猛ダッシュで走り出し、家に帰っていかれました。
(ただ驚かせただけ、やっぱりダメだ)
そう思い、俺はチャリをこぐ力もなく、トボトボと帰宅しました。
部屋に黙っていたら、帰宅した母がドスドスと上に上がってきて、俺の部屋をバンと開けました。
「あんた!仁美ちゃんに告白したの?」
(やべっ!親にチクられたんだ)
「〇さん(仁美の母親)から電話きて、帰ったら仁美が泣いてるからわけ聞いたら、章斗君から好きって言われたって」
(あぁもうダメだ~)
「お母さん、どうしようどうしようって泣くから、あなたの気持ちはどうなのよって聞いたんだって!メールもめったにしないから、嫌われてると思ってたって。そしたら好きって言われてって。私も好きだったんだよ~って泣いて泣いてだってよ」
(え?)
「〇さんがね、娘が泣くくらい好きだったんなら、私は付き合い認めざる得ないけど、どうするって聞かれたのよ!」
俺は意外な展開に言葉を失いました。
「黙ってないで、なんとか言いなさいよ!」
もの凄い怒ってるかのような母でした。
「好きだから好きって言った。付き合いたいから好きだと言ったんだ」
はぁ~と呆れたような、諦めたような母の態度でした。
そして部屋を出て、階段をドスドスと降りて行く母は、携帯で仁美の母と会話していました。
「章斗、ちょっと」
俺は母に引っ張り出され、仁美の家に連行されました。
そして双方の母親から、きちんとした交際が出来るのかとか、いろいろ説教めいたことを言われました。