2016/03/25 13:41:57
(Mna8ZikL)
お互い、離婚を経験してきたせいもあるんでしょう。
ただ秀美には二度目の旦那との間に息子有りという状況でした。
その息子さんと両親、秀美は実家暮らしをしてました。
近況から中学時代の話までして終わり、それから時々仕事以外でも会うようになりました。
でもすぐ男女の関係になったわけではありませんでした。
秀美には息子、両親と家族がいて、特に息子は中学生と多感な年頃とあり、手を出しかねていた、と言うより、単なる仕事+ちょっと飲み仲間的存在でいいと思っていました。
二年たちました。
秀美の息子が高校生になったときでした。
いつものように、居酒屋の椅子に腰を落とそうの前屈みになったとき、秀美からなんともいえない、いい香りがしました。
『香水とか何か変えた?』
『え?何も変えてないけどなんで?』
『なんかいい香りがしたから』
秀美は衣服を鼻に当てて、自らの匂いをかいでました。
『別に、いつもと変わらないと思うけど』
そう言いながら、メニューに目をやってました。
でも食事してる最中も、やたらその香りが私に襲いかかりました。
(もし俺が肉体関係を迫ったらどうなるだろう)
頭にめぐりました。
その中で秀美の話の中で、今夜は息子が部活の関係でいないことを知りました。
いつも通り約二時間ほど飲み食いして店を出ました。
バス乗り場に向かおうとした秀美の肩に手を回しました。
『なになに?どうしたの~?』
驚いていた秀美でしたが、秀美は逃げるわけでもなく、そのまま肩を抱かれた状態で歩きました。
近寄るとさらに強い香りに襲われました。
『セックスしたい』
俺はついポツリと言ってました。
『はぁ~?』
秀美の怪訝そうな声が、裏返ってました。
その声の感じで、これはダメだと思いました。
でも秀美は私に肩を抱かれたままの状態を崩しませんでした。
『今日?』
秀美は言いました。
『息子さんいないんでしょ?』
『でも親がいるから。今日いきなりはちょっと~』
『今日じゃなきゃいいの?』
『う~ん…』
しばらく沈黙した秀美でした。
『日曜なら…昼間だけど』
凄く歯切れの悪い秀美の言葉でした。
したくないのではないか、そんな感じでした。
日曜会う約束をしました。
そして会いました。
秀美はいつものニコヤカさは消え、機嫌が良くなさそうでした。
だから言いました。
『嫌なら無理しなくていいんだよ?』
『…うん…』
やはり非常に悪い歯切れ、私は諦めようとしました。