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2021/07/25 23:02:45 (BZFwKMhc)
実はこの話には後日談があります。

事件をおこしたのは約十年前。

これは、その五年後の話。

僕は、事件後もその町を出る事なく、美少女マンガを描いたりして暮らしていました。

そして、画材を買いに町に出て、加奈ちゃんと再会したんです。

…と言うか、加奈ちゃんに発見され呼び止められました。

僕は、僕を呼び止めた美少女が加奈ちゃんだとすぐにわかりました。

だって、僕が、その肌にふれた事のある唯一の女性ですから。

そう、その時も今も、もちろん僕は童貞です。

加奈ちゃんは美しい女子高生になっていて、友達二人と一緒でした。

『やっぱりそうだ』

えーと…久しぶり。

『何が久しぶりよっ!!こいつ、私が小学生の時、私に悪戯してタイホされたんだよっ!!』

『えっ、マジで?キモ~い』

けっこう人通りもあり、立ち止まる人も…。

『ま、パンツ脱がされてさわられただけだから、私は処女だけどねっ!!』

『ちょっとあんた、こんなとこで何言ってんのよっ』

赤面して立ちすくむ僕と、赤い顔して肩を怒らせてる加奈ちゃん。

僕も困ったけど、加奈ちゃんも困ってるっぽい。

『僕、今、ロリコンマンガ描いてるんだ』

『えっ、漫画家なの?』

『ってか、ロリコンマンガって…』

実は、あなたとの体験をマンガ化したのがデビュー作で…。

『え?』

『じゃ、加奈、モデル料貰えんじゃね?』

払ってもいいですよ…って言うか、いつかあなたに会えたら謝りたいと、ずっと思っていたんです。

『…』

あの時、僕、あなたを叩いちゃったでしょ?
あれが、ずっと気になっていたのです。

『加奈、叩かれたの?』

『ってか、そっちかよ』

僕、暴力は嫌いなのに、自分より弱い人を殴って言うことをきかせるなんて、最低じゃないですか。

『女の子を襲った時点で最低だけどな』

あの時は、ホントにごめんなさい。

何故か、ずっと黙っていた加奈ちゃんが、ようやく口を開いた。

『もう、いいよ』

え?

『なんかずーっと気持ちがモヤモヤしてたんだけど、少しだけモヤモヤが晴れたかも』

この後、何回か町で加奈ちゃんを見かけたけど話をする事はなく、最後に見かけた時、加奈ちゃんは胸の前で小さく手をふってくれた。

その後、加奈ちゃんに会う事はなく、加奈ちゃんは町を出たのかも知れません。

悪戯した話じゃなくてごめんなさい。

でも、僕はどこかに、加奈ちゃんの思い出を書き記したかったのです。

僕はこれからも、僕が罪を犯した町から離れる事なく、美少女マンガを描いて生きていくつもりです。


 
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