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2006/08/15 17:57:26 (6iwVLtkx)
転校生の名前は「キノシタさん」
キノシタさんは、お父さんが遠くに行っていて、お母さんが病気で入院した
らしい。
子供だけでは生活できないから、おばあちゃんの家にしばらくいるというこ
とや。
キノシタさんは、ぼくら田舎の子とちがって、都会の子。正直いってかわい
いなと思った。
そして驚くことに、ぼくとあいもっちの家の近くに住んでいるらしい。
その日から、今までずうーっとあいもっちと二人きりで帰っていたのに、キ
ノシタさんをいれて3人になったわけや。

始業式が終わって、早速、3人で帰った。
ぼくもあいもっちも体操服やのに、キノシタさんはきれいな水色のワンピー
スを着ていた。
前にあいもっちもワンピース着てたけど、はっきりいって、きれいさとか、
かわいさが違う。肌の色も白くてきれいや。なんか、ええニオイもする。
あいもっちにはよう言わんけど・・・
「体操服が来たら、私も体操服で来よう」
キノシタさんはそう言っていた。そんなん、あかんで。ずっとワンピースで
来たらええねん。ぼくはそう思った。
長い帰り道の途中に、キノシタさんのクツひもがほどけた。
「あ・・・」
と、いって、キノシタさんはしゃがんでひもを結ぶ。そのとき、ワンピース
の中のパンツが見えた。すごくドキドキした。
あいもっちの真っ白のパンツとちがって、ピンクのしましま模様やった。あ
いもっちみたいにおしっこがシミてそうにもない。
いや、キノシタさんは、おしっことかうんことか、たぶん、せえへんのとち
がうか? そんなふうにも思った。
ぼくはいっぱいキノシタさんとしゃべった。キノシタさんは、ぼくがふざけ
たりすると笑ってくれて、すぐに仲良くなった。
キノシタさんが「ばいばい」といって分かれ道で別れたとき、あいもっちと
二人きりになって、「そうや、あいもっちもおった」と、存在を思い出し
た。
「キノシタさんて、なんかすごいなあ」
と、あいもっちにいうと、
「ふーん・・・」
と、あいもっちはじーっとぼくのほうをにらんだ。
どうも今日のあいもっちは機嫌が悪いぞ。それから一言もしゃべらなくなっ
てしもた。


それから、あいもっちはさらに変化した。今まで教室でしゃべったりするこ
となんてなかったのに、休み時間にぼくの横にすわって、しゃべりにきたり
する。
3人で帰っているときに、いままで手もつないだことなかったのに、ぼくの
ウデにしがみついたりする。そして、
「今日、宿題いっしょにやろう」
とか、誘ってくれたりする。
ぼくがキノシタさんもいっしょにしよう、と言うと、また、じーっとぼくの
目を見る。
この目は機嫌が悪いときの目や。だいたい、キノシタさんの話をするとこの
目になるんや。
「あたしは今日は用事があるから・・・」
キノシタさんがそういうと、あいもっちは機嫌の悪いときの目はなおって、
フツーの目になった。
ある日、あいもっちがカゼをひいて一日だけ学校を休んだ。
ぼくは給食で出たゼリーをもって、あいもっちの家にどんな宿題が出たか教
えに行った。
パジャマでぼさぼさの髪の毛のあいもっちが出てくる。
「だいじょうぶ?」
と聞くと、
「今日はキノシタさんと二人で帰ったん?」
と、あいもっちは聞いてきた。大丈夫かどうか聞いてるのに、へんな答え
や。ぼくは、
「うん、そうや」
と、言うと、「あっそ」といって、また機嫌の悪いときの目になった。なん
やねん、せっかく来てるのに。そう思った。
キノシタさんといっしょに帰るのは楽しい。ずっと今まであいもっちだけや
ったから新鮮や。しかも、キノシタさんはべっぴんさんやさかい、楽しくな
いわけがないやん。
でも、3人で帰っていると、たまにあいもっちが機嫌の悪い目になるときが
ある。
あいもっちもだいたい楽しくしゃべっているんやけど、ふと、イライラして
しまうみたいや。
ぼくは、ぜんぜん、あいもっちを仲間ハズレにしてるつもりはないんやけど
な。
ときどき、めっちゃあいもっちに怒られたりした。なんでそんなに怒るん
か、わからんのやけど・・・


そんなこんなでひと月、ふた月と月日は経っていき、なんや涼しいなったな
あって思うころ。
キノシタさんは、ぼくたちのクラスにしっかりなじんだ。
そして明日の家庭科の授業の材料を買いに、バスで町まで行くことになっ
た。
班を代表して二人で買いに行くんやけど、ぼくの班はぼくとキノシタさんで
行くことになった。そうなった理由はただのジャンケン。
帰り道で、何時のバスに乗るとか、お金はどっちがもっておくとか、いろい
ろ打ち合わせをしながら歩いた。
なんか楽しみやな。
ふと、キノシタさんと打ち合わせをしながら、あいもっちのほうを見ると、
例の機嫌の悪いときの目。
それも、いつもの3倍くらい不機嫌そうやった。
次の日、昨日、町にいってあんなんやった、こんなんやったと、買い物の話
題でキノシタさんと盛り上がった。
あいもっちの目は、昨日のさらに5倍くらい不機嫌な目になっていた。
そんとき、ひょいとあいもっちがいきなりぼくのウデをつかんで、
「うち、たかくん(←ぼくの名前)と、ふたりだけのヒミツがあんねん」
と、言い出した。ヒミツってなんやろ。さわりっこしたしたことくらいしか
思い出せんなあ・・・?
「今日は、ヒミツのことするから、キノシタさんは先にかえっとってー」
そして、あいもっちはぼくのウデを強くにぎって、わき道にそれていく。
ぼくはあいもっちに連れられていった・・・


またまたまた  つづく
 
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2
投稿者:(無名)
2006/08/15 21:00:28    (nnSIZb0i)
久々におもろいシリーズやな。期待してまっせ。
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