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自叙伝~ラスト

投稿者:ケンツヴァイ ◆J43/PIljHc
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2011/06/01 21:20:31 (1m4Bp/Pg)
くぅちゃんが私の元に戻ってきて半年位。くぅちゃんは高校受験に突入していました。
くぅちゃんは以前にもお話しした通り、努力家の秀才でしたから勉強に一層の力を入れていました。そして私への依存性も強くなって居ました。受験のプレッシャーに潰れそうな自分を、私で支えて居るのかも知れません。まあ、少なからずアヤの事もあるとは思いますが…。
塾の送りや迎え、放課後や休みの日。くぅちゃんは事ある毎に連絡して来て、私はその度にスクランブル発進して居ました。
そんなある日。アヤに誘われて行く予定だった雑貨屋周りの日に、くぅちゃんからのスクランブル要請が有ったのです。
『お。アヤか?』
「そだよぉ(笑)朝早くにどしたの?」
『いや…そのな…今日の雑貨屋なんだけど…あの…。』
「えぇ!またくぅちゃんなのぉ!」
『…ごめん…。』
「けん兄が謝ること無いけどさぁ…たまには貸してくんないかなぁ…。」
『今度埋め合わせするからさ(>人<)』
「お!じゃあ体で払え!」
『(゜Д゜)ハァ?』
「ウッチョォ(笑)ところで、今日はどうしたの?」
『勉強で煮詰まったんだと思うよ。疲れた声で、〇〇公園に来て欲しいってさ…(汗)』
「なるほどねぇ。アタシも来年受験だけど、そんな良い高校行こうとは思って無いからなぁ(笑)まあ、しっかり支えてあげなさい!」
因みに、くぅちゃんは中3でアヤは中2ですよ?
『どっちが歳上か解りゃしねぇ(汗)とりあえず、また連絡するね。』
「はぁ~い。」
この電話の後、私は直ぐにくぅちゃんとの待ち合わせ場所に向かうのですが、この時アヤに大事な情報を漏らしてしまった事に、私は気付いて居ませんでした。
『よ!』
「あ!けんくん!!」
待ち合わせ場所の、お昼前で気温の上がってきた公園に着くと、くぅちゃんは公園の隅にある木陰のベンチに腰掛けてボ~としていましたが、私の姿を認めると手を降ってきました。
相変わらず背は低く、夏に向けてか、肩まであった髪をベリーショートにして居ました。ピンク色の何かのロゴが入った…タンクトップかな?に白い七分丈のカーディガンを羽織り、膝丈位の水色系のフレアスカートを履いていました。
『待たせちゃった?』
「ううん。くぅも今来たところだよ(笑)」
くぅちゃんはニコニコ笑いながら私を出迎え、私が隣に座るとスス~と寄ってきてピトッとくっついて来ました。
「ごめんね…いつも急に電話しちゃって…。」
 
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投稿者:ケンツヴァイ ◆J43/PIljHc
2011/06/01 21:22:53    (1m4Bp/Pg)
「アヤさん…。」
「はい?」
「くぅは…けんくんの大事さに気付いたから…もう…けんくんを傷付けないよ…。」
「…。」
「…。」
沈黙が3人を包みましたが、アヤが口を開きました。
「あの…アタシは…これで…。」
「アヤさん…。」
「?」
「アヤさんは…けんくんのどんな所に惹かれたの…?」
「…クミコ先輩がアタシの事をどの程度聞いてるか知りませんけど…アタシの恩人で…優しい人だから…。」
「…。」
「…。」
「ごめんね…くぅも…けんくんが居ないとダメなんだ…半年別れて…凄く解った…。」
「…。」
「あの時は…けんくんが忙しくて…少しかまって貰えなかっただけなのに…それっぽっちの事で不安になっちゃって…」
「…。」
「でも…けんくん以外の人を好きになれるはずなかった…。」
「…勝手です…。」
「え?」
「…クコミさん勝手すぎます…。」
ぬ…アヤが"先輩"と言わなくなった…。
「けん兄は…アタシと付き合ってくれてる間も…凄く悲し気な目をしてるときが有りました…。」
「…。」
「アタシは…けん兄がそんな目するのが嫌でした…クミコさんに勝ててないんだって…気付いてました。」
「…。」
「そんなに想って貰えてるのに…クミコさんは自分の事だけなんですか?」
「え…。」
「今日のけん兄は、週末のバイトで3時まで働いてました。掃除したりして、家に帰ったのは5時位のはずです…。なんで午前中に呼び出してるんですか?」
「あ…。」
「けん兄…目がこんなに充血して、クマだって…」
『アヤ!』
「!?……はい…ごめんなさい…。」
「…。」
もっと早くにストップかけるんだったかなぁ…。
私の一喝でシュンとなるアヤ。私の顔をチラッと見て俯いてしまうくぅちゃん…。
う~ん…どうやって収拾つける?
『くぅちゃん気にしないでよ。アヤはアヤなりに…。』
「…ごめんなさい…。」
『?』
「確かに…けんくんの顔…疲れてる…。」
『良いんだって。』
「くぅは…けんくんを苦しめるだけの存在なんだ…くぅはけんくんの近くに居ちゃ…。」
『クミコ!』
「!?」
『人の話を聞け!』
多分、くぅちゃんを怒鳴り飛ばしたのはこれが初めてだと思います。
『くぅちゃんは今が大事な時なのは良くわかってる。そして、周りの期待に潰されそうなのもわかってる。だから、今は良いんだ。ドップリ俺に甘えてくれ。俺を頼りにしてくれ。』
「…。」

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投稿者:ケンツヴァイ ◆J43/PIljHc
2011/06/01 21:21:39    (1m4Bp/Pg)
『気にしないでよ。くぅちゃんは今大変な時だし、俺は暇人だからさ(笑)』
「ありがとう…。」
そう言ってくぅちゃんは私の肩に頭を乗せ、目をつぶってフゥ~と息を吐き出しました。
くぅちゃんは、本当に私が側に居ると安心するようで、この状態で頭を優しく撫でてあげると寝てしまうことが多々ありました。
私はくぅちゃんの髪を撫でてやりながら、くぅちゃんに話し掛けました。
『また煮詰まっちゃった?』
「うん…でも、こうやってけんくんと一緒に居るだけで、また頑張れるような気がしてくるよ…ありがとう(笑)」
『どういたまして。(微笑)』
私とくぅちゃんは木陰のベンチで寄り添いながら、他愛のない会話をしていました。すると、公園の入口の方で自転車のブレーキ音がして、くぅちゃんと一緒に居るときに聞こえてはならない声が聞こえて来ました。
「あれ?けん兄じゃん!」
『…(怒)』
「?」
私は気付きました。アヤに電話したとき、口を滑らせて待ち合わせ場所を言ってしまった事に…。
「奇遇だねぇ(笑)」
『奇遇じゃないだろうが…アヤ!』
「この人が…。」
「あ。この人がクミコ先輩ですね?初めまして(笑)アヤって言います!(b^ー°)」
『初めましてじゃないよ…(汗)』
「…初めまして…。」ヒョウヒョウと自己紹介しながらも拳を握り締めるアヤと、軽く頭痛を覚えた私と、ジェラシーメラメラの眼差しをアヤに向けるくぅちゃんと…さっきまでほのぼのとした空気に包まれていた公園が、開戦間近の関ヶ原みたいな緊張感で満ち溢れました。砂場で遊んでいた幼児が泣き出した位です(汗)
『あのなぁ…(怒)』
「けん兄…悪いんだけど席外してくれるかなぁ。」
『何?』
「くぅもアヤさんと話ししたかったの…けんくん…少し外して…。」
『な…(汗)』
あのライブの日と、スカートが違うだけの格好をしたアヤの前に、くぅちゃんはベンチを立ち上がって対峙しました。身長差10cm位…(汗)
「…。」
「…。」
『…俺に聞かれて不味い話なら席を外すが、そうじゃないならこのまま話せ。』
「…わかった。」
「?」
アヤは私の言葉を了承し、くぅちゃんはそれに驚いていました。
「…クミコ先輩…アタシは今でもけん兄が大好きです。でも…アタシはクミコ先輩に勝てなかったんで…一歩引きます…。」
「え…。」
「でも…今度けん兄に悲しい思いさせたら…遠慮しませんから…。」
「…。」
やっぱりそれを言いに来たんだ…。

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