うちの町内では毎年夏休みになると自由参加の習字教室がありました。
朽ち果てた神社の社務所を町内会が管理する代わりに、町内会の詰所として利用していたみたいです。
習字教室なんて子供達が行きたがる訳がありません。
ただ、タダなので(洒落じゃないw)、親は行かせたがりました。
なので、参加した子には帰りにドリンクが貰える特典をつけて、大人達はなんとか子供達を呼び込もうと目論んでいました。
別に厳密に何時から何時までとかは決まっていなくて、先生がいる時間内ならいつでもいいという緩い感じで行われてました。
1時間で帰ってもいいし、みっちりフルタイム居てもオーケー!
だいたい涼しくなりかける午後の3時くらいから6時あたりと設定されてましたので、私は5時前に行って最後までってパターンで行ってました。
子供の時、私は夏休みは長いと思ってました。
いわゆる鍵っ子で退屈をもて余していたから、結局は親の言われるままに通ったんです。
小4の夏でした。
来てるメンツはまちまちでパラパラ…
同じ町内に仲良しの女子もいなかったし、私は日常で書く字が上手になればいいという理由で、1人でもわりと小まめに通ってました。
いちおう夏休み前に回覧板でスケジュールは決まってました。
細かい微調整、例えば時間がずれるとか、そういう事は神社の階段を上がる前にわかるようにと、即席の掲示板みたいなものが設置されてました。
確かに長い急勾配な階段を上がって臨時休みとか言われたら発狂しそうです。
その辺の配慮はキチンとしていて、それも全て先生がやっているようでした。
正式な職がなにかはちょっと忘れましたが、出版関係の仕事に就いていてる中年の男性が先生でした。
ほとんど自宅でできる仕事らしくそれなりに時間の自由もきいたのでしょう。
少なくとも肩書き的には町内会の人達から信頼されていたのは間違いないでしょう。
本当にお駄賃程度の報酬で引き受けていたそうです。
結局私が挫折しなかった最大の理由はこの先生にありました。
正直、今でもなんかはっきりとした顔の印象がない人で、鮮明に思い出そうとするとなんか某俳優の顔が真っ先に思い浮かぶ…
そんな感じなんですが、一緒にいて不思議と緊張しないし変な気も使わない楽さがありました。
ああいうのって持って生まれたものですよね。
ただ、ちゃんと話も聞いてくれるし、大人の上から目線もない。
一回、男子が拾ってきたエッチな雑誌をみんなで騒いで見ていた時も、叱るわけでもなく一緒に見てました。
要するに話のわかる大人だったんです。
だから、いつも最低限の子供は集まっていたのは、先生がそれなりに好かれていたからだと思います。
比率的にはやっぱり女子が多かった。
男子はお義理で一回顔を出して終わりってパターンが多いようでした。
私はだいたい詰所の戸締まりをしたあとに先生に近くまで送ってもらいました。
夏で陽が高いとはいえ、いちおう気を使ってくれてたのですね。
だから、先生の家も教えてもらい、いつの間にか自宅にも遊びに行くようになりました。
以下はレスにて