由美子との話し合いの一週間後、ジョンを迎えるために僕たちは空港にいました。
ゲートをくぐって現れたのはがっしりとした体格の金髪で、いかにもアングロサクソンといった若者です。目は青みがかった色で、しかも顔もかなりのイケメンでした。
「ジョン!」と彼女が手を振るとすぐに気がついたようで「Long time no see!Yumi」と言って近寄ってきました。
そして人目もはばからず、彼女の腰を抱き寄せ、キスを交わしたのです。呆気にとられる僕を尻目に、二人は親しげに英語で会話しています。
さすがにラグビーをやっていただけあって190近い体で、並び立つと、150くらいしかない彼女はまるで子供のように見えました。
由美子が僕が来ていることを告げ、こちらに気付いたジョンは意外にもにこやかに握手求め、抱擁を交わしてきました。どうやら彼女の留学中に僕の話も聞いていたようでした。この男が彼女をそのセックスで狂わせ、我が物のように扱ったのか……と思うとふつふつと嫉妬の念が涌いてきました。同時に彼女との関係などおくびにも出さず、笑いかけてくることに拍子抜けしたのも事実です。
とりあえず空港を出て近くの喫茶店に入りました。
そこで僕は彼女に浮気を白状されて以来とりついていた欲求を、とうとうジョンにも打ち明けました。
アメリカでの君と彼女の関係については知っている。それを僕の前でもして見せてくれないか、と持ち掛けたのです。
最初は冗談だろ?と苦笑いを浮かべながら聞いていたジョンも、もしそれを撮影させてもらえるなら、滞在中の費用を僕が持つとまで言うと、明らかに馬鹿にしたような笑いを浮かべてきました。
正直かなりの屈辱感がありましたが、彼がOKを出してくれたときには、そんなものはどこかへ吹き飛び、言いしれない興奮が体を支配していました。
ただし条件があると続け、オレはシャイだから、ビデオを撮るならお前も裸になれ、と言うのです。なぜ僕までと思いましたが(実はこれにはジョンなりのしたたかな思惑がありました)、結論を急ぐ僕は二つ返事で承知しました。
今日は着いたばかりで疲れているだろうから明日…と提案すると、ジョンはオレは今からでもOKだ、さっそくホテルに行って始めようと言い出しました(彼にそんな心配など全く不要だったことはこの後嫌というほど理解させられることになるのです)。