それから数日たっても、僕は由美子の告白に悩まされ続け、大学でもぼーっとしていることが多くなりました。互いにあれ以来連絡も取り合っていません。
ですが複雑な心境とは裏腹に、彼女が白人にのしかかられ、犯されている情景を想像する度に勢いよく勃起し、何度も抜いてしまう自分がいました。
その日の講義も上の空で聞いていると後から声をかけられました。
「Hi、ケン!元気ナイミタイデスネ」「?」
振り返ると白い歯をむき出して微笑んでいる巨漢の黒人がいました。
「ああ、ボブか」
ボブは最近南米からきた留学生で、ゼミで積極的に挨拶してきたのをきっかけに、時折話をするようになったのです。
(黒人のアレって白人以上にデカいって言うよなあ。ボブは体も大きいし……一体どれくらいの……)彼女のこともあって変に彼を意識してしまいました。
「ケン、イツ日本ノ女ノ子、紹介シテクレマスカ?」
「えっ!?ああ」
現実に引き戻された僕は、以前に一度一緒に飲みに行った時に、酔ってそんなことを約束したことを思い出しました。
「その内するよ」「Goo!期待シテルヨ」と言ってボブは歩き去って行きましたが、僕はその言葉を聞いて、頭の中におぼろげながら、ある考えが形を取り始めました。
その日の夜、彼女からメールがあり、明日会って話がしたいと伝えてきました。僕の方もいずれ結論を出さねばならないのだから、と覚悟を決め、同意のメールを出しました。
翌日、僕のアパートにきた由美子は開口一番「ごめんなさい。私とは別れてほしい」と頭を下げました。