僕はS県のH市にある小学校の保健医を今春までしていました。(とある問題で辞めましたが)今では熱中症と言う言葉は、普通に使われていますが、この話しはまだ世の中に熱中症と言う言葉が浸透してない頃の話しです。 5月のかなり暑い日の事でした。僕は保健室で熱中症の症状と対処について勉強をしていました。昼休みが終わり午後の授業が始まって10分位すると、保健室のドアがノックされ開けてみると、6年生の担任のT先生(男)が、1人の少女を抱きかかえていました。どうしたのか理由を聞くと、体育館で体育の授業で準備運動をしていたら、急に倒れたとの事。意識はあったが気持ち悪く歩けないと訴えたので抱えてきたと説明しました。T先生は彼女をベッドへ運び寝かせてくれました。僕はベッド利用者リストをT先生に渡し、利用者の名前を書いて貰いました。彼女の名前は桜井愛海(まなみ)といいクラスの学級委員長をしてる子でした。僕はまなみの症状を見て、直ぐに熱中症だと分かりT先生にその旨を告げると、T先生は「何ですかそれは?」と聞いてきたので、ちゃんと説明しました。僕は「対処法を知っていますから、T先生は授業に戻って構いませんよ」といいました。