第3話 ~求め合う2人 ~長い口づけを交わした後、俺は理絵を強く見つめ、理絵も俺をまっすぐな眼差しで見つめている。一昨日までは同じクラスメイトとすら認識のなかったのに、今こうして口づけを交わし一夜を共にしようとしている。これから行われるであろう行為を目の前にして俺はものすごく興奮していた。もっと理絵の事を知りたい。理絵と一緒に同じ時間を過ごしたい。理絵の側にいつまでもいたい。好きという感情もモチロンあったが、今の俺の気持ちを語るとしたらこれしかなかった。数秒前に俺の気持ちの端を理絵に知られてしまっている。一目惚れということは言わないにせよ、今の正直な気持ちを理絵にぶつけてみようと少しだけど決心がついた。新ジャガ『松井さん・・・俺・・・』理絵がその先に続く言葉を待っている・・・理絵からの優しくも力強いプレッシャー、今まで女性を異性として感じていなかった俺には、初めての感覚にひるみそうになる。生まれて初めて自分の気持ちを伝えることへの恥ずかしさも含めて、いろいろな思いが交錯しながら俺の重く両肩にのしかかっていたが、それを振り払うように・・・いや、勇気を振り絞って理絵に語り続ける・・・新ジャガ『俺、もっといっぱい松井さんと一緒にいたい。側にいたい。キミを守りたいんだ。』理絵『・・・・・』理絵の動きが完全に止まった・・・。完全に恥ずかしさを振り払えず、『好き』と直球で言う事がができなかったが、それでも精一杯の気持ちを自分なりに表現してみたが、この間が俺をものすごく不安にさせる・・・。もし理絵にフラれてしまったらどうしよう・・・。この事が原因でお互いに気まずくなり、以前みたいなものすごい距離感に戻ってしまったら・・・やっぱり言わなきゃ良かったのかな?だとしたら俺はなんて事をしてしまったんだ・・・。徐々に不安と後悔がこみ上げてくる。これは後で理絵から聞いた話なんだが、かなりテンパりすぎて半分涙目になっていたために、どうやって俺を落ち着かせようか、考えていたらしい。理絵『・・・・・』理絵は黙ったまま一言も発しない。その代わりに顔を少し横に向けて俺の胸に頭を預けてきた。理絵の両腕が俺の身体をやさしく抱きしめ、何かにしがみついたような体勢になっている。俺も理絵の身体を抱きとめる。そして、その姿勢のまま、再び沈黙が辺りを包む・・・。理絵『新ジャガくんの音・・・よく聞こえる・・・』心臓がものすごい速さで鼓動している。あぁ、理絵は今コレを聞いているんだ・・・。ってことは・・・ めちゃくちゃ緊張してるのが心音でもバレてしまってるのね・・・。理絵『新ジャガくん・・・ ありがとう。』新ジャガ『え? あ? は、はい!!!(完全に声が裏返る・・・)』理絵『ふふふ・・・。こうやって新ジャガくんの音を聞いてると、不思議と落ち着く・・・』新ジャガ『・・・・・・』理絵『誰かを好きになるとか、付き合うとかしたことがないから、まだよく分からないの・・・』新ジャガ『・・・・・・。 うん・・・。』理絵『新ジャガくんってさ・・・。いつもニコニコしてて、誰かにからかわれても笑顔で受け流して、 小テストはいつも満点取ってるし、学校が終わったらすぐに帰っちゃうし・・・。 きっと新ジャガくんって、塾とかも行きながら、ものすごく勉強を頑張っていて・・・。 たぶん争いとかは好まない優しい感じのなんだな・・・。って思ってたの。 でも昨日、あの場所で私達が襲われた時に、大人の人相手に一歩も引かずに助けてくれて、 ケガをしてまで私たちの事を守ってくれた・・・。 今日も、パパと一緒に来てリビングで 親同士の話が始まった時に、大人の話は退屈だろうからって・・・気を利かせてくれて私を ココにに連れて出してくれた・・・。でも、エッチな本をベットに置きっぱなしにしてたのを 忘れてて、私が見つけちゃった時、すっごく慌ててた・・・(笑) あぁ、新ジャガくんって、私が想像してたのは仮の姿で、本当は大人で頼りになる人。でも、 ちょっとだけおっちょこちょいなのかな?って思ったの。でも、それもまだ新ジャガくんの 全部じゃない。だから、新ジャガくんの事をもっと知りたくなったの。 それに・・・こんなに頼りになる人だったら、一緒
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