野洲中学校に通う女子生徒の一部は、いわゆるヤリマンだと噂を聞いていた。
どこにでもある話しだと思っていた。
大体、どこの学校でも、教室の隅に集まるゴミの如くそんな連中がタムロする。
所が、話しを聞いていくうちに、単なる性的解放スケどもではない事がわかっ
た。
夏休みのこの時期、勉強を頑張る者がいれば、部活動に精を出す者もいる。
勿論、少数の目的を失ったような者もいるだろうが…。
今年は猛暑だ。
女子生徒達の白いブラウスに汗が染みて、ちょっと色っぽい頃でもある。
ただ、単なるデブの不細工は、問題外。
旅行も兼ねて、滋賀県を訪れた。
早速、その野洲に足に向けた。
本当だ、こういうのを山間の部落というのだろう。
自転車に乗った学生服姿の男子生徒達が通る道路。
今、相当田舎でも、こんな道路はない…と思える程のデコボコ道だ。
しかし、自動車が通り、自転車が通り、人が歩き、犬も歩く…。
オレは、一人の小柄な制服姿の女の子を見つけた。
滋賀県に来て、野洲までは約1時間半。
太陽の照りつける昼下がり。
少女は髪の毛を後ろで一本にまとめていた。
ポニーテイル風ではあるが、顔が更けた感じで、成人にも見えた。
取りあえず、尋ねてみた。
「ねえ、キミは…野洲中学校の子?」
「は、はい、そうです。」
まだ中学一年生らしいが、可哀想な程にドモリ風な少女だ。
オレは直感的に、その子が普通の中学生ではない事を悟った。
中学生の割に顔が更けている…と思ったが、恐らくそれは、少女の生活に…。
「この辺りの地名は何て言うんだろう?」
「ち、地名ですか?」
少女のたどたどしい言葉が詰まって、途絶えた。
顔に翳りがある。
「もしかして、和田っていうのかい?」
オレがそう言うと、少女は頭をペコンと垂れるように…。
「どうしたんだ?」
「お、おじさんも…私を…。」
「私を? 私を、どうした?」
少女が顔を上げ、そこに刻まれた痣、シミ、傷のようなものをオレは見た。
「なあ、ちょっと、オジサンと…いいか?」
オレは、少女の怯えきった、諦めたようなその小さな肩に手を置いた。
少女は、黙ったままだった。
旅行で来た事もあり、車がない。
オレは、夏の草むらに少女を連れて入った。
夏場の虫には驚かされる。刺されて痒いだけで済めば良い方だ。
「名前は?」
「フ、フジモト キョウコ」
「キョウコちゃんって、言うんだね。」
少女は、頭をペコンとする。それは、どうも癖らしい。
「ねえ、さっきの事だけれど…。話してくれるかい?」
少女はオレをようやく直視した。
更けた感じになってしまっているが、なかなか可愛い顔つきだった。
「わ、私、怖くて…。学校へ行くのが…。」
「もしかして、イジメかい?」
「は、はい…。」
「どんなイジメに?」
「オ、オジサンは…知らないの?」
「ああ、知らないよ。」
「わ、私、中学校に入ってから、少し経った頃に…。」
「どうした?」
「し、知らない男の人に、叩かれて、服を脱がされて…。」
ボソボソと語る少女だった。
しかし、そこには可哀想な程に必死な抵抗、訴えがあった。
「分かった…。」
正直な所、オレは…。
そう、オレは、滋賀県に来た目的は、少女とのセックスだった。
しかし、目の前のひねた感じの少女を見ていたら…。
そんな気持ち、萎えてしまった。
オレにも、ヒューマニティが残っていたのか…。
まだ身長150センチもない小柄な少女の頭を、オレは撫でた。
そして、ポニーテイルの少女を引き寄せて、抱きしめた。
そして、その髪を何度も撫でてあげた。
セックスの事ばかり考えていたオレには、珍しい事だった。
今まで、女の穴を責めに責めて、男の快楽を追い求めていたからなぁ…。
少女の涙が、オレの腕に零れ落ちた。
「辛かっただろうなぁ…。」
一層強く、少女を抱きしめた。
そして、小さな肩を撫で、小さな背中を撫でた。
小柄な少女が、オレの胸の中で震えている…。
「キョウコ…。」
不思議な感覚だ。
不遇な少女にしてしまった奴の事を、憎いとさえ思った。
「オ、オジサン…。わ、私の、おとうさんだったら…。」
少女の言葉は、重くて低かった。
涙が混じって、更に、ドモリ風が濃くなった。
堪らない感情に襲われた。
少女の顔は涙にまみれていた。
前ポケットに詰めていたハンカチで拭いてやった。
そして、少女の唇にオレの唇を重ねた。
そう、咄嗟だった。しかし、優しく長いキスだった。
オレには、少女と寝たいという感情はなくなっていた。
矛盾だ・・・。
キスを終えると、オレは少女のブラウスを脱がしていった。
少女も、オレに体を預けた様子。
脅えも、抵抗も、少女の顔にはなかったみたいだ・・・。
「キョウコ、オレは、オレは・・・。」
「お、おじさん・・・。」
ブラウスの下には、ブラジャーがあった。
しかし、胸は殆ど膨らんでおらず、ピンクの乳首が恥ずかしそうに・・・。
オレは、少女の胸を撫で、ピンク色のものを口に含んだ。
少女の顔、何故か安心したようだった。
目を細めながらも・・・。
再び、少女の唇を塞いだ。
何だろう・・・。この感覚は? この意識は?
少女とのキスは、オレにも安らぎを与えてくれるようだった。
まだ、生娘の・・・、いや、既に処女を奪われているだろうが・・・。
その少女に、心を奪われたのか? それとも慈悲か?
オレのモノは膨れあがっていた。
しかし、少女を貫く意志はなかった。
少女の胸を撫で、唇を重ねるだけで、満たされていた・・・。
オレは、草むらの中で、少女との静かな時間を・・・。
オレは、少女との安らかなキスの途中に、ビクっとした。
オレの股間に、少女の手が添えられた・・・。
「キョウコ・・・。」
「わ、私、オジサンが・・・。」
間を置く様な少女の言葉。
オレは、少女の手をそのままに・・・。
やがて、オレのスラックスが・・・、少女の手で・・・。
「キョウコ・・・。」
クチュクチュと吸い込む音。
少女の小さな顔が、オレの股間にあった。
口の中に全て入りきらず、唇で挟むようにして横にこすりながら・・・。
「キョウコ、こんな事まで・・・。」
そう、まだ中学校に入ったばかりの少女が、男に教えられたのだ。
少女の両手が、オレの太股に力を込めた。
細い指、細い手首、細い腕。
ポニーテイルが揺れる。
少女の顔が動き出す。
きっと、奴らは、この少女を無理矢理に・・・。
少女の頭を掴み、腰を前後する男の姿が浮かぶ。
少女の目には涙が・・・。
呼吸さえも出来ないままに、男のモノを咥えさせられ・・・。
オレは、少女の髪を撫でていた。
オレのモノを舐める少女の顔は安らかだった。
美味しそうに、いとおしそうに、オレのモノを小さな唇で・・・。
「キョウコ・・・。」
稚拙ながらも、少女のそんな行為に・・・。
オレのモノは、脈打つように精液を放った。
少女の口から少し漏れたものの、白液が少女の喉に注がれた。
少女の喉を鳴らす音が、オレに聞こえた。
悲しい事に、少女はオレのモノをその後も咥え続けた。
唇をすぼめて、まるで吸い取るように・・・。
「オ、オジサン、とても・・・優しい。」
「キョウコ・・・。」
オレまで、涙が出そうだった。
このまま、少女を連れて東京へ・・・と考えた。
「オジサン、また来るから・・・ね。」
「ほ、本当?」
「ああ。」
少女が微笑んだ。
しかし、オレは微笑めない。
このまま、少女が居なくなっても、家族の者でさえ悲しむだろうか?
本当に連れ去ろう・・・と考えていた、新幹線の車中。