はじめてはいつ?
「あっ・・・。」
娘の幼い吐息、喘ぐ声。
「ん・・・っふ、んん・・・。」
布団の中から聞こえてくる、いやらしい水音。
「はっ・・・ぁ、」
私の腕の中で、娘は背を丸くして喘いでいる。私の指が彼女の襞を滑るたび、彼女はかわいい小さな声をあげて身を捩らせる。
(生理がこなくても、濡れるんだな・・・。)
私は呑気にそんなことを考えながら、荒い息を吐いていた。
娘のこんもりと円みを帯びた恥骨から、二枚の小さな襞を指でこすると、気持ちいいのか、娘の口から「はぁん!」と一際大きな声があがる。
「ここが気持ちいいの?」
「あっ・・・あ、わ、わかんない・・・。」
頬を朱に染めて、その朱は胸元まで染めていた。そのすぐ下には、まだふくらみの少ない乳房がある。ちょんと上にのっている薄桃色の突起をつまめば、「ふううううぅ、」と、娘は声を混じらせながら大きく息を吐き出した。
「感じる?」
「か、かんじるって・・・なぁに?」
いまいち要領を得ない娘の返事に、私は苦笑してしまう。
娘はまだ9歳だった。生理もない、性への関心もまだない、無垢な少女。
私はその、布団の上に横になっている娘を後ろから抱きしめて、彼女の両足の間に右手を、胸元に左手を滑らせていた。
塗れて滑りの良くなった襞を、親指と人差し指の腹でつまみ、擦り上げる。
「っ・・・!・・・ぁっ・・・!」
途端、娘は身体を「く」の字から弓なりに反らせ、小さいながらも絹のような嬌声を上げた。その反応に、私は襞から指を離す。
「痛かった?今のはやめようか?」
もちろん、今の仕草で娘が感じているのはわかっている。だが、強引に娘を暴くことは本意ではない。私は焦れる自身を持て余しながらも、できるだけ優しく娘に問いかけた。
「・・・だ、いじょうぶ。それ・・・好き。」
「本当かい?」
「うん。パパ、続けて。ね、お願い。」
娘は両足をもじもじとさせながら、可愛い声でねだってくる。そんなことを言われてたじろぐくらいなら、最初からこんな行為はしていない。
私はもう一度娘の襞をつまみ、赤く染まった耳朶に舌を這わせながら囁いてやる。
「いいよ・・・。真理ちゃんの好きなようにしてあげるから、ちゃんと教えて?」
「っあ!や・・・ん!それっ・・・ああっ、」
「嫌?」
「いや・・・じゃない・・けどっぉ、あ、ああ、」
未だ9歳の幼い身体で、彼女は私の愛撫に精一杯の反応を返していた。それが演技でないことは、彼女の最奥から溢れてくる蜜でわかっている。彼女は、私を欲しがっている。こんな幼い身体で、私の指を、舌を、精一杯感じようと健気に喘いでいるのだ。
「ああ・・・真理子・・真理ちゃん・・・。好きだよ。好き。」
なぜ、私たち二人がこのような行為に及ぶようになったのか。きっかけははっきりりない。
妻は娘を生んで間もなく他界した。残された娘と私は、少ない身寄りに助けられ、拙いながらも二人三脚で頑張ってきたのだった。
初めて作った味のない味噌汁。皺だらけの洗濯物。仕事を終えることが出来なくて、保育園で泣きじゃくっていた娘。
始めは己の不甲斐なさに涙を禁じ得なかった。娘を田舎にいる母に預けようかと思ったこともある。だが、それはあくまでも思うだけで、実際に娘に切り出したことは無かった。私の首に抱きついて離れない、この愛くるしい娘のことを思うと、どうしても手放すことはできなかった。
私は娘を愛している。
愛しい娘。私の娘。妻の面影と、私のそれを混ぜ合わせたような愛くるしい表情は、まごうことなき私の子だ。私の手を固く握り、離さない娘。その温かい体温と、その大きな愛くるしい瞳を見れば、この子と離れて暮らしていくことなど、到底できそうにない。
仕事中にふと目を閉じれば娘の顔が思い浮かぶ。携帯端末の待ち受け画面はもちろん娘だ。私は、誰が見ても親ばかだった。
そして娘は、小学校入学とともに料理を覚え始めた。
私が仕事から帰ってくると、器用に後ろでちょうちょ結びにした白いエプロンを纏い、テーブルにはおいしそうな肉じゃがや、野菜炒め、時には手の込んでいそうなスープまで出してくれるようになり、仕事疲れでげっそりとした私に「おかえりなさい」と声を掛けてくれるその様子に、いつしか私は娘に妻の影を、いや、一人の女としての姿を見るようになっていた。もしかして娘にも、私に捨てられるくらいならばと思うところがあったのかもしれない。
そうだ。初めては、風呂だった。
私たちはいつも仲良く風呂に入っていた。そうなると、娘の身体の成長をまじまじと見ることができるわけで、最初は3000gの赤ん坊だった娘が、今やこんなに両手両足を成長させて湯船に座っているのかと思うと、その成長ぶりに感動を覚えたものだ。
『だいぶ大きくなったね。』
私は多分、そんなことを言ったと思う。そして、そんな深い意味もなく娘の身体を撫でた。首から腕へ。喉から胸へ。その時だ。くすぐったそうに身を捩る、その娘の声に私が欲情したのは。
『んっ・・・。パ、パ、くすぐったい。』
最初は触るだけだった。だが、次第に荒くなっていく娘の息を頬に受けるにつれて、私の指は私の意志に関係なく女として性感帯に触れて行った。娘がクリトリスに触れられるのが弱いことも、その時に知った。あの時はつまむのではなく、四本の指の腹で股を擦り上げてあげたのだ。私の膝に腰を下ろして、娘は私にだらしのない顔を向けながら、精一杯に声を張り上げる。
『・・・っ!あっ・・・パパぁっ!』
私の腕の中で、湯船につかりながら激しく身を痙攣させ、私の初めての愛撫で娘はイったのだった。
それから、私たちはどちらが誘うでもなく同じ布団の中に入り、今のような行為を行っていた。
クリトリスと乳首を同時に愛されるのが娘の好きな愛撫。そんなことも程なく分かった。
主に私が娘の身体をまさぐって、娘がイくのを見届けて、自身は右手で慰める。それが常だ。この子はまだ幼い。まだ男の慰め方など知らなくてもいいだろう。
今はただ、彼女の気持ちいいように導いてやるだけ。娘の囀る声を聴いているだけで、私は今のところは幸せなのだ。
「真理ちゃん、いい?これがいいの?」
「んっ!ん、ん、い、い・・・と思う。」
徐々に開発されていく自分の身体の変化に、娘は戸惑いつつも、私の愛撫を素直に受け入れていた。そうして、彼女は自分のどこが感じるのかを教えてくれる。
「かわいいね、真理ちゃんは。」
「本当?あたし、かわいい?・・・ぁっ、」
私の指に翻弄されて、身体を小刻みに震わせる。私が「かわいい」と褒めれば素直に喜ぶ。そして―――
「あうっ!」
私の愛撫に、素直に反応してくれる。
「パパ、パパ、また・・・なの。」
「もう?」
「も、変。変だよぉ。」
そして、こらえ性のないところもかわいいと思う。
「ね、もっとして、それ、もっと・・・。」
襞をつまむ私の指に、娘は自身で腰を揺らして擦りつけてくる。なんという卑猥なことを覚えてしまったのだろう、この子は。
「真理ちゃん、それはいけない行為だから、やめなさい。」
「いけない・・・行為?」
急にお説教めいた声を出す私をうしろ向きに振り返り、おずおずと娘は見上げてくる。その娘の、柔かく小さい唇に私は重ねるだけのキスをすると、唇が触れるか触れないかの位置で注意する。
「自分で腰をふっちゃいけないよ。気持ちいいことは全部パパがしてあげるから、ちゃんと言いなさい。」
「・・・はい。」
娘はすぐ目前の絶頂をお預けされてつらそうな顔をしていたが、私の言うことには素直にうなずいた。そして、腰をもじもじとさせながら、私の指が動き出すのを待っている。
「真理ちゃん、パパは怒ってないから。だから、ちゃんとしてあげるから、安心して。」
「本当?怒ってない?」
「怒ってないよ。あとね、身体が変になりそうになったら、ちゃんと『イク』って言いなさい。」
「いく・・・?」
「そう。パパが触れてるところから、気持ちいいのがぐぐ~ってきそうになったら、『イク』って。それが合図だから。」
「うん。わかった。」
「良い子だね。真理子は。じゃあ、パパにキスしてくれる?」
「うん!」
そう言うや否や、娘は私に唇を重ねていた。拙いながらも舌を入れて、私がいつもしてやるようなキスをしようとしているのだろう。
(だんだんお利口になってくるなぁ。)
9歳という年齢は、いろんなことをスポンジのように吸収していく年頃だ。彼女はこの年でディープキスを覚えてしまった。そして、男の下で腰を動かすことも。
(こんなにおませさんにするつもりはなかったんだけどな。)
だが、それも自分の前だけに見せる痴態だと思えば嬉しくないこともない。
「ん!」
私は苦しがる娘の口中を、余すことなく貪った。歯列をなぞり、奥歯から、上あごの裏、舌の裏、そしてもっとその奥へ舌を侵入させていく。
「んんー!」
娘の苦しそうな悲鳴。
口の端からどちらともつかぬ唾液が零れ落ちるが、私はそんなことに頓着していられなかった。娘の口中は、暖かく、柔かい。遠くない未来、いつか必ず、私は彼女のここで自身を慰めてもらうのだ。
(でも今そんなことをして真理が泣くのもかわいそうだしね。)
どこまでも愛し抜いてやりたい。
どこまでも汚しつくしてやりたい。
愛情いっぱいに抱きしめてやりたい。
その最奥に自分のありったけの精を注ぎ込みたい。
これは父親としての想いなのか、一人の欲情した男の想いなのか。どちらにしろ、私は真理子を愛している。だから、私は娘の感じてたまらない襞を小刻みにとめどなく指の腹で擦り付ける。
「んんんんんんんんっ!」
私の舌に邪魔されて、くぐもった声が娘の口から洩れる。もうイくのだろう。イけばいい。おもいきり私の指で、パパの愛撫でイけばいい。
「ひぐ・・・むぐ・・・!」
私の口中で、彼女は必死に何事かを訴えていた。それとなく、唇に隙間を開けてやると、健気にも娘は必死に「イく、イク」と訴えているではないか。
(可愛い・・・本当に、私の娘は可愛い。)
愛おしさに狂わされてしまいそうだ。
敏感な娘の乳首への愛撫も忘れない。普段は陥没気味の小さな胸の突起は、既に固くなり、ツンと上を向いて、私に触れられるのに適した形になっていた。
「パパ、いくっ、いくっ!」
「いいよ。イって。ほら、ちゃんと気持ちいいところを擦ってあげるから。」
「いくっ、イく!イクぅぅうううううう!」
ぬるぬると濡れた娘の襞を、私は彼女の身体が痙攣し、硬直し、一気に脱力するまで指の腹で擦り付けていた。
「お疲れ様、真理ちゃん。」
「はあ、はあ、・・・むぅ・・・。」
何度も荒い息を吐く娘の唇に再び吸い付いて、唾液を交換する。娘は素直に私の唾液を飲んでいた。
私に口を吸われながら、主にクリトリスでイくのが今のところの彼女と私とのセックスだった。
(でも、いずれは・・・。)
私の腕に身を任せ、ぐったりと横たわる娘は、きっともっとその先のことにもこたえてくれるだろう。私の唾液を飲み干した娘が、その小さな唇に笑みを浮かべる。
「・・・パパ、気持ち良かった。」
「そう、良かったね。」
今はいい。このままで。今は。
娘の成長に合わせて、私たちは愛情を育んでいくのだ。そして、セックスも。
パンツを湿らせたまま微睡み始めた娘を抱き締めて、私は彼女が寝付くまで一緒に布団の中にいた。