結果的に言えば夫婦間出来事なので犯罪でも背徳でもないのですが、20年近く前の話です。
当時私は32歳の実家住みの独身男。大学時代に先輩に連れて行かれた風俗で童貞だけは捨てていたのですが、それまでに彼女が出来た事もありませんでした。当時父は単身赴任で実家から3時間ほど離れた町にいたので、母と2人住まいでした。
ある日家に帰ると、玄関に母の物ではない女物の靴がありました。見た感じ中高生の履くような靴だなあと思いながら「ただいま。母さん、お客さんですか?」と声をかけると、「そうよ、着替えたら居間にいらっしゃい。あんまりだらしない格好は駄目よ」と返事が来ました。
着替えて居間に行くと、母と中学生か高校生くらいの、ちょっと表現が古いですが大和撫子風味の、だけど頭の回転は速そうな感じのする美少女が母と楽しそうに話をしていました。見た記憶のない子でした。
母は私を座らせると開口一番「覚えてないかもしれないけど、暁子ちゃんよ。今日からうちの嫁になってもらうから。」と。私は何を言われたのか一瞬理解が付いて行かず、最初の反応は「はっ?」と言っただけ。少し遅れてようやく「いや、嫁って、養女ならともかく嫁は相手が必要でしょ」というと「そうよ、嫁って言ったわよ。正嗣、嫌なの?あんたその歳で一度も彼女が出来た事も無いじゃない。一生独身でいるつもり?私の老後の面倒どうするのよ。お父さんももう承知したわよ。」と畳み掛けられてしまいました。「いや、突然すぎるよ、それに彼女、まだ精々高校生くらいににしか見えないよ。年齢違いすぎるでしょ、俺は男だからまだしもこの子の意思は?殆ど初めて会うオッサンだぜ。」と反論すると母は「問題無いわ。暁子ちゃんとは話は済んでるわよ。こんな可愛い子で不満なの?正嗣、こんな感じの子どストライクでしょ、知ってるわよ。」とやり込められてしまい「いや、好みなのは事実だけど、本人は俺の実物見て後悔してたら可哀想じゃない」と言ったら、それまで黙っていた暁子ちゃんが「そんなことありません。不束者ですがよろしくお願いします」と言ってくるではないですか。もはや了承以外の答えを封じられてしまいました。実際、好みのタイプで、俺的には周囲の目が気になる以外は何も嫌ではなかったのですが。
そうなると疑問は何故こんな子がいきなり家に来て嫁なんていう展開になっているかですよね。母に訊くと、暁子ちゃんの家で少々揉め事があり家には居られなくなった、より正しくは家にいても碌でもない将来しか予想できない状況なんだそうです。で、母親が再従兄弟同士にあたる私の母が家に避難させることにしたそうです。うちの両親はほとぼりが冷めたら向うの親に親権放棄させて養女にする事も考え暁子ちゃんにそれでもいいかと尋ねたら、養女ではなく嫁に来ますと言われこういう展開になったそうです。暁子ちゃんはとりあえず学校は休学届けを出す予定だそうです。母は暁子ちゃんを気に入っていたので基本大歓迎ながらも私との年の差を考え、本当にいいの?と何度も念押ししたんだとか。
そして一通りの話が済んで、暁子ちゃんは僕の妻になるということで落ち着いたのですが、ここでもう一発驚く展開が。母が「じゃあ、今夜はあなたたちは新婚初夜だから、お母さんはお父さんのアパートに泊まりに行くね。暁子ちゃん、正嗣をよろしくね、正嗣に可愛がってもらいなさい。正嗣、暁子ちゃんをお嫁さんとしてちゃんと‘愛して’あげるのよ。暁子ちゃんははじめてだから優しくしてあげなきゃダメよ。」と言って出かける支度を始めてしまいました。暁子ちゃんは「はい、お義母様。ありがとうございます。」と言って頬を赤らめているではないですか。母の支度が済み、出がけに2人で玄関で見送ると母は「じゃあ行ってくるわね。久しぶりだから貴方達同様に新婚気分を味わってくるわ。あ、正嗣、避妊具の買い置きなんか無いけど新婚初夜に避妊なんて失礼なことしちゃダメよ、お嫁さんなんだから。出来ちゃってもお腹が目立つ前には入籍出来る歳になるから問題無いわ。あとは夫婦で相談しなさい。来年の今頃は孫を抱けるかしら?」などというとんでも発言。思わず暁子ちゃんの方を向くと今回は流石に顔を真っ赤にして両手を頬に当てていました。