家庭教師のバイトをしてた時に担当した美月は中学二年。
学校の成績が下がったって事で数学と英語を担当した。
よくある事で、要領と言うか応用問題が苦手な感じでそんなに酷くは無い。
むしろ俺が中学生の頃より理解出来てるんじゃない?って感じ。
大人しい性格が災いして、理解出来ない所を先生に聞けないタイプ。
そんな感じだから応用問題を中心に勉強を教え、考え方と言うか要領を教えると、期末テストの頃には成績も人並み以上に回復、俺はもうお祓い箱かな~位に考えていた。
しかし美月が家庭教師は必要だし、今更知らない人には教わりたくないと親に言ったらしい。
(塾に切り換えようか?と提案されたらしい)
親も成績をアップさせた俺を信用して特に切られる事無く、そのまま続ける事になった。
美月は結構可愛い感じだけど、服装は地味だった。
随分打ち解けていたので休憩時間には気を遣う事無く勉強とは関係無い話しを色々した。
ある日着たい服があるけど恥ずかしいから着れないって話しが出た。
可愛いんだから、もっと自信持てば?なんて事を言った。
それから暫くしたある日、いつも通り部屋に通されるとフリルが付いた服にミニスカを履いた美月が居た。
「可愛いじゃん!似合ってるよ」と伝えると照れながら喜んでいた。
「先生は彼女と何処に遊びに行くの?」と聞かれた。
「彼女が居た時はね~…」と今は居ないがこんな感じの所だよと教えた。
「じゃあさ!美月が期末テストで20番以上アップしたら連れてって!」と言われた。
家庭教師って立場もあるので断ったが食い下がられて折れてしまった。
まぁ上がったら考えよ、て感じだったが結果的には届かなかった。
「美月が馬鹿だから駄目だった…」
とガッカリする姿に可哀相になったが、親への説明を考えると少しホッとしたような、残念なような気分だった。
「馬鹿じゃないよ、頑張ってるんだし成績自体は悪くないじゃん」と慰めたが沈んだままだった。
「…頑張ったのに…」とボソッと言う言葉に思わず「解った!成績は悪くないし頑張ったんだから行こうよ!」と言ってしまった。
「本当!?じゃあ約束だよ!」と喜ぶ美月だが親に何て言おうと考えていた。