エロ要素は無いので、それ系希望の方はスルーしてください。
1980年前後、学校が「校内暴力」など騒がれ、男女の中学不良学生が学校の窓ガラスを割る、先生に暴力を振るう、バイクや車を盗んでを乗り回す、という時代でした。
僕は元々体が小さく、成長期が高校2年の時だったので、中学時代はまだ140cm台で周りの女子よりも小さかった。
かと言って不良達からいじめられるということもなく、いつもニコニコしてて誰とも話して、八方美人で穏やかな性格だったからかもしれない。
そんなある日、市内一の札付きの不良で、同級生の女子中学生Mから放課後呼び止められた。
「ねえ、あんた、私と交換日記しない?」
「え、なんで僕?」
「まあいいから、いいから」
あまりに突然だったのでびっくりしましたが、14歳の年頃でいろんなことに興味が出る年頃。でも精神的には全然子供。
まあでも断る理由も無いので「交換日記」を始めることとなりました。
今で言うとLINEの交換なのかな。
ちょっと大人びた見たこともないノート。
家で何か書いたら、翌日の放課後、皆にバレないようにMの机の中に入れる、でMからの返事はその翌日に自分の机に中に入っている、という超アナログ方式。
今となっては何を書いていたのかすら覚えてないけど、Mはよく僕のことを見てくれて、言葉にしてくれていた気がします。
「日記を書くことで、なんか毎日が楽しい」と。
授業参観が終わった後、母から「なんか知らない父兄からとっても感謝された」と言われたり、担任の先生からも「Mと交換日記しているんだってな。あいつ楽しそうに話してくれたぞ。素行が良くなったのはお前のおかげだろうな。」と言われたり。
僕に恋愛感情があるのではなく、本当に好きな友人、という感じだったのだと思っています。
ただ同時の子供だった僕としては、なぜ家族や担任にまで話をしたんだろ、と不思議な気分でした。
「ねぇ、修学旅行の2日目の夜に、一緒にデートしてみない?」
と書いてあった時には、ちょっとドキドキしました。事前に策を打っていたのか、なんと担任の先生が裏口から外出の手引きをしてくれて。
一時間ほど一緒に福岡の街を歩き、公園のベンチに座っていろんな話をした。
最後に
「ねぇ、ハグしてもいい?ほんとにありがとね。」
と涙を流してお礼を言われ、
「う、うん」と言うのが精一杯。。
宿に向かうとまた担任の先生が手引きして中に入れてくれた。
実はそれを最後に、Mは学校に来なくなった。
それがなぜなのか担任の先生も教えてくれない。
「お前は知らない方がいい」と。。
そのすぐ後に自分も転校することになったので結局何も分からず、今、40年以上経ってもその理由が分からない。
そして交換日記はMが持ったままだ。。
「あの時もっと何か聞いたり出来なかったのか?」
切ない思い出だけが残っています。