桜が咲く季節になると、思い出します。私が高校3年になったときに、23歳の数学の女教師が赴任してきました。私は一目見るなり好きになっていました。と言っても変な事もなく、高校を卒業し、大学に進学し、商社に就職しました。その後得意先との接待のため、上司と私の二人で、最後はキャバクラに行きました。当時はバブルが弾ける前で、接待費として凄いお金を使っていました。私は初めてその店に行ったのですが、上司はたびたび来てるのでしょうか、ママさんと懇意になってました。得意先の人とテーブルを囲んでいると、若い女性たちが横に座ってきます。その中の一人の女性が、私の方をチラチラと見てました。帰りにその女性が、私にメモを忍ばせました。そこにはその女性の、電話番号が書かれていました。当時はスマホも携帯電話もない時代で、後日その電話に掛けました。彼女が出ると「お久しぶり!宏君」私は自分の名前を呼ばれても、相手がわからず「どちらかでお会いしたのですか?」と尋ねました。「うふ!私がわからない?まあ化粧も濃くしてたしね。なんとその女性、私が憧れていたあの女教師でした。一度会いたいというので、レストランで待ち合わせました。その時は化粧も普通で、すぐにわかりました。話を聞くと、先生は結婚をしたのですが、主人が私の妊娠をしたのを境に、他の女性と浮気をしたそうで結局流産をし、この男と離婚したそうです。「まあ、私に男を見る目がなかった。それだけよ」私はなぜか放っておけなくなり、無理やりホテルに連れ込みました。最初のキスの味は私の思い出になりました。 しばらくして、私は先生と結婚しました。その後4人の子供に恵まれ、時たま孫たちとやってくるのを、楽しみにしています。