美桜(仮名:アイドルの朝長美桜の中学生時代に似てるから)と出会ってもう5年。中学受験のクラス12人のうちのひとりだった。小学5年生の5月の入塾。早い子は4年生から、5年生にしても学年のスタートは2月だから、ちょっと遅い入塾だった。
大学生時代に家庭教師をして、中2、高3のふたりの女の子をいだいた。驚いたのは、ふたりとも非処女だったこと。かわいい子は、早いって実感したのとその子たちの初めてを奪った男たちへの羨望と嫉妬。
就職したのは、学習塾。たぶん、自分と同じように十代の女の子が好きで就職した男は少なくないはず。入社して、中学受験の担当。え、小学生かよ、と思ったが、実は大正解。中学受験は指導が厳しく、時に泣くまで罵倒する。子どもたちは、叱られないように言うことを聞く。叱ったあと、優しいことば。これ、効くんだ。心を支配できる。
美桜は、一目でかわいい子。でも、背も小さく、胸もぺったんこ。それが6年生になると背が伸び、膨らみも目立つようになった。真紀のすべての初めてを貰おうと思ったのは、ゴールデンウィーク明け。ショーパン、Tシャツの美桜にしてはスポーティーな格好で塾に来た日。太もものムッチリ感、それと日に焼けてない白い肌が魅力的だった。
その日、ゴールデンウィーク中の宿題について、美桜はちゃんとやっていたが、完成度が高くないと別室に呼んで一対一の半ばいちゃもんのような説教をした。家でも学校でも、ほとんど怒られたことがないから、少し強めに叱ると、ツゥーと涙を流した。すぐ、優しいことば。頭をポンポンして自分の方を向かせる。目を潤ませてしゃくりあげる。
教室を出るので、立ち上がると美桜がふらついて俺にもたれ掛かった。「大丈夫?」と言いながら、両手で美桜を俺の胸に引き寄せた。「落ち着くまで、このまま、な」美桜の鼓動と吐息。小学6年生の甘い香り。まだ11歳なのに、男を誘う仕草と香り。自分はわかっていないだろう。でも、俺を興奮させた。
「美桜、好きだ」言葉と同時に美桜の顎に手をかけ、上を向かせ、唇を重ねた。