「先生、観てくれた?」
親が迎えに来て皆が帰った頃、ミクが近付いて声をかけた。
「ん?ああ観たよ。きれいだったね」
ニコニコ笑うとえくぼの可愛いミクの目を見て返事をする。
「やった、うれしい」
「サイパンは良い所だよね」
「えぇっ?そっちぃ?ひど~い…」
「うそうそ、ミクちゃんがキラキラして可愛いかったよ」
「ホント?どのへん?」
「う~ん、シャワーかな?」
「やだぁ、エッチ~」
胸元を手で隠しながら体をくねらせるミクは周りに内緒でタレント活動をし、欠席を補うために塾に来るようになった。
夏休みに初めてイメージビデオを撮影したからと一枚プレゼントしてくれた。
「ね、黄色いビキニでカメラさん近かったでしょ?」
「うん、確かにあれは大胆だったね。ミクちゃんの毛穴も判るくらいだった」
「きゃぁハズい~ね、ね、興奮した?」
「はぁ?しないしない、だってミクちゃんだよ?」
「え~…先生に観て欲しくて頑張ったんだよ…」
すねた顔をするミクの頭を撫でながら
「だって大切な生徒に変な事思えないだろ?」
「うん…でも、ちょっとくらいは…良いからねっ!バイバイ」
ペコリと頭を下げ母親の待つ駐車場へ駆け出すミクのスカートがなびき長い足が見えた。
DVDではウイッグなのか長い髪をなびかせたり結んだりして、ちょっと見ると彼女とは思わない。
普段使いの銀縁眼鏡もパッとしない子だ。
しかし仕事では想像以上に豊かで形の良い胸を、小さな水着で披露している。
下も大胆なTバックや紐水着で引き締まったお尻が、画面いっぱいに写し出される。
黄色いビキニのシーンは何度も見返し、下から見上げたりお尻の割れ目を覗くような場面に世話になりっぱなしだ。
(ちょっとくらい良いからねっ)
ミクはそれをわかっているのだろう。男が彼女たちをそう見ていると。
DVDをもらってから初めてミクに会った夜の興奮はいつも以上だった。
次に塾に来たミクに頼まれ自宅まで車で送ることになった。
「そういえば周りにバレてないの?」
「うん、一応変装してるしイベントとかやらないから」
「ミクちゃんなら人気出そうだけどなぁ」
「パパとママと約束なんだ。○○生になるまでわって」
「じゃあお宝DVDになるかも?」
「うん、あまり作らなかったみたい。今は歌やお芝居のレッスン中心」
「でも楽しんでる?」
「うん!女優さんになりたいから楽しいよ」
ミクは力を込めてハッキリ答えた。