大したことではないのですが…
私にとっては、忘れられない、二つの思い出。
小学校5年生のとき、
集会中、体操座りをしていると、
自分の股間に手が触れた。
なんだか気持ちがよくて、
ついつい短パンの中に手が…そしてパンツの中に…。
気持ちがよくて、やめられなくて、でもやめなきゃいけない…
そう思って、当時憧れていた、担任の先生を見つめて、
助けを求めた。
でも、先生は気づいてくれなかった。
やめなきゃいけない、でも気持ちがいい、
やめられない…なんだか恐かった。
あれが初めてのオナニー。
好きな人を見つめながら…。
それから十数年、私は高校教師になった。
学級の生徒が気分不良で保健室に行ったので、
具合を確認に、保健室へと行った。
私が来たことに気付いた彼は、
ベッドの上に体操座りをし、顔を伏せた。
具合が悪いのだと思い、彼の左手を握った。
すると彼は、右手をポケットにいれ、貧乏ゆすりを始めた。
かすかに動く右手、あがる呼吸。
私はよく状況がわからず、左手を繋いだまま、
どうしていいかわからず、しばらく唖然としていた。
それから、彼は私をなんだか避けるようになり、一年半がたち
そのまま高校を卒業していった。
あれから数年がたち、私は
結婚もし、今では年長になる娘もいる。
当時16歳だった彼。
今考えると…
あれは自慰行為をしていたのかな?と思う。
だとすると、私が小学生の頃にしたようなことを、
彼は私の前でしたということ。
なんだか不思議で、
なんだかもどかしい気持ちになる。
あの時の繋いだ手のぬくもりを思い出し、
あの時に戻れたら…
なんて、思ってしまう自分がいる。